冬から春への移り変わりは、天地の気が「陰から陽へ」と移るので、鍼灸治療(はりきゅう)も、それに合わせて「腎の気を補う治療から肝の邪気を削る治療」にならねばならない。
なんて話を聞いたような、聞かなかったような。お前も蝋人形にしてやろうか。
大凶は突然に
易占いは、竹ひごをジャラジャラさばいて占う中国の占い方法です。
この易占の教科書「易経(えききょう)」には時の流れが書いてあり、「天があり、地があり、そして生き物が生まれ育ち、喧嘩したり仲良くなったり、わずかな蓄えができたらリスクを冒せ。
こんな感じのストーリーが書いてありますが、出だしの「天があり、地があり。の次は水雷屯という大凶の内容が出てきます。
水雷屯(すいらいちゅん)
草木が芽吹く直前は、堅い殻を破り土から出てこようと植物も必死です。この状態を
水雷屯と呼び大凶としています。
人の営みでは受験前後や就職試験、入社前研修にあたります。
ここで失敗すると、人生そのものがどん底に落ちる可能性があるだけに、大凶指定されてもおかしくない部分です。
ちなみに、これと同じくらい不吉な占い結果は全部で4つあります。64通り中の4つが超不吉。けっこうな確率で嫌な気分になりますね(汗)
山水蒙(さんすいもう)
札幌では今時期が蒙の季節で、ちょっと芽吹いてきた感じ。雪の下で黄緑色のふきのとうが芽吹いているような状態です。
山水蒙は、無知な幼児と同じで入学や入社した直後。ここで
良い先輩に恵まれるかどうか
これがとても大事だと易経は教えてくれます。
占い結果では3つの良い話しと3つの悪い話しがあり、一番キツい内容は
賢明な指導者に恵まれないと、生涯無知に苦しむ。
というわけで、自分が無知に苦しまぬよう、上司や先輩に恵まれるための努力が必要となります。
水天需(すいてんじゅ)
入学や入社後から新歓など飲み会が開催される前くらいの時期と思ってください。ここで水天需は
「でしゃばるな」「待て」
ということを教えてくれています。
じっくり待って英気を養い、周囲を見ていれば大いに伸びる。
新しい職場に配属されたときに、目立とうとしたり元気いっぱいアピールかますと空回りしますよ。みたいな(汗)
易経(えききょう)は占いの本と言っても、ときの流れを書いてある哲学書という側面があり、人生訓として読んでもおもしろいものです。
鍼灸治療でも、この易経を参考にした治療法があり、記事冒頭に書いた「腎の気を補う治療から肝の邪気を削る治療へ」というのは易経に書かれている、ときの流れと季節の移り変わりに従った治療法といえます。