レスター・シティの日本代表FW岡崎慎司は、14日に行われたプレミアリーグ第30節のニューカッスル戦に先発出場し、衝撃的なオーバーヘッド弾で貴重な決勝点を挙げ、チームを1-0の勝利に導いた。侍ストライカーの豪快なショットは、名作映画のクライマックスでサッカーの王様が決めた伝説の一撃を彷彿させるという声が、英メディアで上がった。
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奇跡のリーグ優勝に続く架け橋のような一撃だった。前半25分、MFオルブライトンの左クロスが相手DFの頭に当たり、ふわりと浮いたボールをFWヴァーディが頭でつなぐと、ゴール前にポジションを取っていた岡崎は豪快なオーバーヘッドで合わせて、ゴールネットを揺らした。本拠地キングパワー・スタジアムでの嬉しい初ゴールが、貴重な決勝点となった。
チームの決勝点となった妙技を、英メディアも試合後に絶賛したが、英高級紙「ザ・タイムス」のチーフライター、マット・ディッキンソン記者は、伝説の一撃と重ねている。
「そして、キング・パワーが再び沸騰している。オカザキのバイシクル・キック。『勝利への脱出』のペレを想起させる」
自身のツイッターで本拠地の大騒ぎと、侍ストライカーのゴールをサッカーの名作映画の名シーンに重ねながら速報している。
『勝利への脱出』は、1981年公開の第二次世界大戦の強制収容所をテーマにした映画。マイケル・ケイン、シルベスター・スタローンという名優とともに、元ブラジル代表の伝説的ストライカーのペレ、元イングランド代表DFボビー・ムーア、横浜F・マリノスなどで指揮を執った元アルゼンチン代表MFオズワルド・アルディレスら名手が出演していた。
ドイツ代表対連合国軍捕虜チームとの試合で、ペレ演じるルイスは連合国チームの一員として途中出場し、華麗なオーバーヘッドキックを右足で決めた。スローモーションで2度も繰り返された華麗な一撃は、この映画のクライマックスの一つだった。このゴールで連合国捕虜チームは、4-4に追いつく。そして、ドイツ代表に与えられた疑惑のPKを、GK役のスタローンが横っ飛びでスーパーセーブを決めると、大興奮の観衆がなだれ込み、捕虜は大脱走を果たすという内容だった。
サッカー映画史に残る名シーンに例えられた岡崎だが、これまでは前線での守備面での大きな貢献で評価されてきた。だが、一世一代のオーバーヘッド弾でイングランドでの名声を一気に高めた格好だ。
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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