『シンドバッド黄金の航海』『タイタンの戦い』などの作品で知られるハリウッドの特殊効果のパイオニア、20世紀の特撮映画界を牽引してきた巨匠、レイ・ハリーハウゼン (Ray Harryhausen ) が5月7日 ロンドンのハマースミス病院で死去。92歳だった。
人形を1コマずつストップモーション撮影する「モデルアニメーション」のリアルな動きで世界の人々を驚嘆させ、創り出された美しい映像は現在でもファンが多い
水爆実験でよみがえった怪獣がニューヨークを破壊していく彼のデビュー作『原子怪獣現わる (1953年)』は、日本の『ゴジラ』に多大な影響を与え、ピクサー『モンスターズ・インク』『メーターの東京レース』には、「ハリーハウゼン」という名前の寿司屋が登場する
いまではブルースクリーンなどの技術によって違和感のない映像合成が普通だけど、当時は "俳優の演技を撮影した素材" と "ミニチュアを撮影した素材" の 色温度(色彩)の違いなどによって合成したーっていう雰囲気がアリアリ。同じ画角の中にいれるのが難しかった
そこでレイ・ハリーハウゼンは俳優の素材をプロジェクションし、映像を1フレーム動かすごとに人形を微妙に動かし撮影。色温度を修正するフィルタをその都度かけていく「ダイナメーション」と呼ばれる手法を編み出し、俳優と人形の格闘シーンを作ることに成功。後のハリウッド映画の特撮人気を爆発させる
1992年には永年の功績によりアカデミー賞特別賞を受賞
彼の訃報を受け、ジョージ・ルーカスは「僕らのほとんどが、子供の頃から彼の影響を受けてきた。その存在なくして『スター・ウォーズ』は生まれなかった」とコメントした