”世界の食をもっと楽しく”をミッションとして2013年4月に創業した株式会社フーディソン。
水産業界においてITを活用した水産流通のプレイヤーとして圧倒的NO.1になることを目指している企業です。
魚ポチというスマホ・PCから簡単に産地や築地の鮮魚を発注できる卸売サービスやsakana bacca(サカナバッカ)というリアル店舗の運営を行っています。
今回は同社でエンジニアとして働く木村さんにインタビュー!
水産業界の課題に挑戦する木村さんの想いを伺ってきました。
木村拓也さん
北海道出身。公立はこだて未来大学卒。
大学卒業後、株式会社パイプドビッツに新卒で入社、約3年間、SAAS データベースシステム「SPIRAL」の機能開発。
B2C を体験したく、株式会社ミクシィで、mixiコミュニティ、mixiページ、mixiゲーム、モンスターストライクの開発に携わる。
サービスの0からの立ち上げを体験したく、株式会社リクルートマーケティングパートナーズで料理サプリを立ち上げから経験。
当事者としてもっと価値を届けるため、また、ITだけでなく、より実世界に関係する水産業界を体験するため、株式会社フーディソンに入社。
−早速ですが木村さんのこれまでの教えてください。
大学卒業後にパイプドビッツという会社にエンジニアとして入社しました。
大手企業に行く友人が多かった中で、何か面白いことをしたいと思い、ベンチャー企業ばかりを見ていました。
パイプドビッツへの入社理由は社長でしたね。
とにかくオーラのある方で、この人のもとで仕事をしたら絶対成長すると感じました。
その後ミクシィに転職をして、mixiコミュニティとmixiページ、mixiページのキラーアプリの制作のプロジェクトを担当しました。
キラーアプリのプロジェクトで弊社のCTO石井と出会います。
ミクシィの後はリクルートマーケティングパートナーズに転職しました。
サプリシリーズの「料理サプリ」の立ち上げに参画し、1からサービスを立ち上げる経験をしました。
リクルートで働きだして1年が経った頃に、石井からフーディソンに来ないかと声をかけていただき、転職を決意します。
去年の3月のことだったのでフーディソンに入社して丸1年になりますね。
−学生の頃からプログラミングはされていたんですか?
情報系の学部ではあったのですが、新卒で入社した当時はまったくと言っていいほどできませんでした。
学生時代はバレーボールばかりしていましたね。
−フーディソンに入社した理由を教えてください。
どっちが楽しいかをひたすら考えました。
フーディソンがより魅力的だったのはウェブの枠を外れていることです。
実際に魚は流通している、動いているリアルのものです。
今までと異なる質のビジネスに携わることができるのは次のチャレンジとしてシンプルに「面白そう」と感じました。
あともう1つあるとすれば、水産業界の課題がすごく根深いものだということです。
疲弊した現状があるにも関わらず、IT化が進まない状況この業界のため状況は改善されず、高齢化も進んでいる。水産資源も年々減ってきている。
話しを聞き、いろいろ調べていくにつれ、自分がやらないといけないという一種の義務感を持ちましたし、自分の価値を最大限活かすことができると思いました。
−転職のタイミングで悩んだりはしませんでしたか?
もちろん悩みました。
ベンチャー企業に飛び込んだり、1人で何かをやっていくことに挑戦しなければならない時期だと個人的にも思っていた時期だったので、今行かないと後悔すると感じました。
−リアルに物や人が動く業界への転職されたわけですが、何かフーディソンに転職をしてエンジニアとしての仕事内容に変化はありましたか?
これまではディレクターとデザイナーがいて、どんな機能やUI/UXがいいかを話し合い、プロダクトに落とし込んでいました。
今は、実際に人が存在し、やっている作業があり、それをどう効率化していくかにフォーカスが当たっています。
もともとある行動を起点にして考えるという点は大きく異なると感じています。
−ありがとうございます。次にフーディソンさんの事業内容について教えてください。
弊社の主力事業は「魚ポチ」となっています。卸売の事業です。
飲食店さんが魚を仕入れるのですが、普通なら市場に出向き、魚を購入しなくてはいけません。
私どもが飲食店さんの代わりに魚を仕入れ、尾単位から発注できるプラットフォームを提供しています。現在、約3,0 00店舗の方々に利用いただいています。
移動にかかっていた費用や時間の削減できる、今までになかったような種類の魚が手に入るなどのお声をいただいています。
−木村さんの業務としてどのようなことをご担当させていますか?
最近は築地のデジタル化に取り組んでします。
先ほども申し上げましたがとにかく業務効率が非常に悪いんです。
情報を紙で書き、FAXで送り、パソコンで入力し、フォーマットを変えて掲載する…ものすごい工数とミスが発生しています。
築地にある情報をより簡単にミスなく入力していただけるようなシステムを作っています。
アナログの世界ではありますが、うまくコミュニケーションをとりながら浸透させていきたいですね。
−フーディソンに入社していろいろなプロジェクトに関わってきたと思うのですが、印象に残っているものはありますか?
面白かったのは店舗の商品ラベルの印刷アプリです。
タブレットから商品を選び送ると、ラベルプリンターから出てくるというツールです。
実際にシールが出てきて、魚に貼られ、お客さんが手にとってレジに通りっていくのを見ると、自分の技術が使われているという実感できました。
−木村さんがフーディソンで感じるやりがいについて教えてください。
ベンチャー企業へ転職する技術者って自分に自信があって転職すると思うのですが、自分のアセットでは足りない部分が多くあります。
特に水産業の業界には、釣り方や締め方、文字列など変数が非常に多く存在します。
それをシステムに落とし込んでいくのは難易度としては相当高いですが、やりがいのある仕事ですね。
あまりシステム化できていないのはその複雑さが理由です。
複雑なシステムの中でも、自分がtoCのサービスをやっていたこともあり、本当に使いやすいサービス作っていきたいですし、納得できるものでないと提供したくもありません。こだわりを持つことによって市場の中で優位性を出していければと思っています。
−木村さんにとってフーディソンの好きなところはどんなところですか?
とりあえずやってみようというチャレンジ精神です。
自分が提案した企画も実現しますし、とにかくやってみる、それがよければ広がっていくという社風はすごく好きですし、強みだと思います。
本当にスタートアップしているなという感覚を持ちながら仕事ができる環境ですね。
−ありがとうございます。水産業界の課題を少し冒頭でお話いただきましたが、木村さんはフーディソンでどんな課題を解決したいですか?
とにかく水産業界を良くしていきたいという意識は非常に強いです。
儲からない業界だと言われている水産業界の中で、漁師さんが疲弊し、高年齢化しているのが現状です。
そういった魚を食卓に届けるまでの過程をお仕事にされている方にITの力を使って価値提供ができればと思います。
また、魚を食べる私たち一般消費者にも、安くて、新鮮で、美味しい魚を提供し続けられるようにしていきたいです。
フーディソンが存在することによって魚を食べる人が「満足」になる。その食べる人の「満足」を通じて魚に関わる人が幸せになることを目指したいですね。
加えて水産資源の課題は個人としても非常に興味があります。魚の総数が減ってきているという現状ですね。乱獲や自然発生的な要因など説としては様々です。
今の自分では何ができるかはわかりませんが、今までインプットする機会がなかった情報がたくさん入ってきているので何かできることがあればすぐにアクションしていきたいです。
−最後に木村さんのキャリアビジョンを教えてください。
明確にはないですね。
揺れ動きながらキャリアを歩んでいます。
マネジメントなのか、現場なのかといった業務レベルでもそうですし、転職するかしないかもそうです。
ただ、何をやれば一番インパクトを残せるか、そしてどっちのほうが面白いかを常に考えてアクションを決めています。
その掛け算で「フーディソン」で「コードを書いて」いるのが現在です。しんどくても頑張ろうと思えること、そして社会的に意味があること、自分がいいと思うことをやり続けたいです。
直近では、世界の食をもっと楽しくすることがそれにあたるのでこれからも頑張っていきたいですね。