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【大相撲】

白鵬、北の湖超え 横綱で671勝

2016年3月15日 紙面から

白鵬(左)が押し出しで琴勇輝を下す=エディオンアリーナ大阪で(市川和宏撮影)

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◇春場所<2日目>

(14日・エディオン アリーナ大阪)

 前日不覚をとった横綱白鵬(31)=宮城野=は初顔の琴勇輝(24)=佐渡ケ嶽=を押し出して初日。横綱在位中の勝利数が歴代単独最多の671となった。鶴竜は高安を、日馬富士も隠岐の海を下した。綱とりを目指す琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=も関脇嘉風を押し出して2連勝となった。十両に転落した人気者の遠藤は初白星となった。

 満員札止めの館内で琴勇輝が「ホウッ!」と叫ぶと、待ってましたとばかりに沸きに沸く。それとは対照的に、静かに力をため込んだ白鵬は、左から張って右からかち上げ。KO狙いのような容赦ない攻めから一方的に押し出すと、こう言い放った。

 「これが結びだと。いい思い出になったでしょうし。(琴勇輝は)手も足も出なかった。出直して来い!」

 昨年春場所前の力士会で、立ち合い直前に『ホウッ!』と叫ぶ琴勇輝と千代鳳に、白鵬は「犬じゃないんだから、ほえるな!」と名指しで注意した。千代鳳はその場所から声を出すのをやめた。だが、それでもやめない琴勇輝には伝えたいことがあった。

 「それがひとつの流れだと本人が言ってる。そういう意味では、上位と対戦するところまできてるから、本人には合っている。(ただ)相手のことを思えばいかがなものかと思う。自分のためだけなら、合ってるんじゃないかな」

 琴奨菊の琴バウアーと違い、琴勇輝が叫ぶのは立ち合いの直前。最後の塩を取りにいったときに見せる高見盛(引退)のパフォーマンスが「ギリギリですよ」と、白鵬は持論を語る。

 初日の宝富士戦で不覚をとり、琴勇輝とは初対戦。「稽古を積んできてるわけじゃないし、緊張するところもある」と話していたが、負けを引きずるどころか、ふたを開ければこの結果。目の前で聞いた「ホウッ!」はどうだったか?と聞かれると、苦笑いして「ノーコメント」。北の湖が横綱在位63場所で達成した横綱670勝を52場所目で追い抜き、初対戦との連勝を史上3位タイの26まで伸ばした。白鵬にも思い出に残る一番となったに違いない。 (岸本隆)

 

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