トップ > 中日スポーツ > プロ野球 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【プロ野球】

高木京が涙で野球賭博を謝罪 いい人が怖い人に…

2016年3月10日 紙面から

記者会見で感情を抑える巨人の高木京=東京・大手町の球団事務所で(川上智世撮影)

写真

 野球賭博への関与が明らかになった巨人の高木京介投手(26)が9日、東京・大手町の球団事務所で記者会見し、賭博常習者との口裏合わせからウソの供述をした経緯や、関係を断ち切ろうとして「いい人が怖い人に」なったことなどを語り謝罪した。一連の野球賭博問題で選手が記者会見するのは初めて。巨人は元東京地検特捜部長をオーナー代行にすることなどとともに、10日に野球協約で定められているコミッショナーへの告発を行うと発表した。

◆声を震わせ「ウソをつき通すのは限界」

 後悔の念が、涙となってあふれ出た。弁護士などの付き添いもなくひとり、会見場に姿を見せた高木京。声を震わせ「巨人軍の関係者の皆さん、選手の皆さん、小学校から野球をやってきて携わってくれた関係者の皆さんを裏切ってしまい、本当に申し訳ありませんでした」と深々と頭を下げた。調査にウソをつき続けていたことなどを約10分間、説明。疲れ切った様子で、報道陣からの質問は3問で打ち切られた。

 8日に自身の関与を球団に告白。野球賭博問題の新事実が白日の下にさらされ、渡辺恒雄最高顧問ら球団のトップ3が辞任する事態となった。一夜明け、ファンや関係者に謝罪するとともに、自らの口で真実を伝えたいと会見の場に立った。

 高木京は14年4月〜5月まで元同僚の笠原将生元投手を通じて野球賭博行為に関わったが、昨年10月に問題発覚後は球団の調査に対して関与を否定。その裏に、笠原元投手の知人の飲食店経営者らから「名義を貸しただけにする」と口裏合わせの策を授けられていたことも明かした。

 その後、2月にNPBの講習を受けてから笠原元投手を通じて飲食店経営者との関係を断とうとしたが、連絡は途絶えず、そこでやっと「すごい怖い人」と思い知った。ただ、会見ではこの飲食店経営者が「笠原さんの野球賭博をしていた相手の方」という言い方で12回も登場。会場には違和感も漂った。

 2月29日に週刊文春の取材をきっかけに、球団が高木京の聴取を開始。当初は口裏合わせした虚偽の説明をしていたが「ウソをつき通すのは限界と、奥さんと両親に相談し」告白したという。話が家族へ及んだ時、声の震えが止まらなくなった。

 8日に事実を公表後も高木京と家族のもとには飲食店経営者、笠原元投手から電話がかかってきているが、出ていないという。いくら悔やんでも後戻りはできないが「やってしまったことを反省し、受け止めて前に進みたい」と、神妙に語った。 (佐藤啓)

<高木京介(たかぎ・きょうすけ)> 1989(平成元)年9月5日生まれ、石川県出身の26歳。183センチ、86キロ。左投げ左打ち。星稜高から国学大を経て、ドラフト4位で2012年巨人入団。昨年5月14日広島戦でデビューから117試合連続黒星なしのプロ野球記録をマーク。この不敗記録は139試合に伸ばし続行中だった。年俸2800万円。背番号28。

 

この記事を印刷する

PR情報

閉じる
中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日スポーツ購読案内 東京中日スポーツ購読案内 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ