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【プロ野球】

巨人大激震 高木京も賭博 渡辺最高顧問引責辞任

2016年3月9日 紙面から

新たに高木京介投手が野球賭博に関与が判明し、記者会見で頭を下げる巨人の久保博球団社長(左)と森田清司総務本部長コンプライアンス担当=東京都千代田区の読売新聞ビルで(隈崎稔樹撮影)

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 巨人の久保博球団社長は8日、東京・大手町の読売新聞本社で記者会見し、高木京介投手(26)が野球賭博に関与していたと発表した。これを受け、渡辺恒雄球団最高顧問、白石興二郎オーナーら球団首脳が引責辞任。巨人は昨年11月に3選手が無期失格処分を受けたばかり。4人目の発覚で信用をさらに失墜させる形となった。

 開幕まであと17日、球界の盟主に再び激震が走った。19時40分。巨人は都内で開いた緊急会見には、久保球団社長と森田清司執行役員総務本部長コンプライアンス担当が出席。高木京が野球賭博に関与していたという衝撃の新事実を公表すると同時に、渡辺最高顧問、桃井恒和会長、白石オーナーが後任が決まりしだい、引責辞任することを発表した。

 久保社長は「重ね重ね、痛恨の極みであります。プロ野球を愛する皆さま、ジャイアンツを愛する皆さま、そして国民の皆さまに深くおわび致します」と謝罪。近日中に高木京を日本野球機構(NPB)の熊崎勝彦コミッショナーに告発することを明らかにした。

 昨年10月に判明した野球賭博問題では福田聡志投手、笠原将生投手、松本竜也投手の3投手が野球協約の有害行為に該当する行為を行ったとして無期失格処分を受け、球団は契約を解除。球団も制裁金1000万円という処分を受けた。3選手以外の関与について球団は聞き取り調査を行ってきたが、事実を把握できなかったという。久保社長は「チームにたまっていた膿を出し切れなかった」と沈痛の表情を浮かべた。

 「4人目」が出るのではないかという疑念は根強くあった。不安視されていた事態が現実となった。しかも、週刊文春という外部からの取材、指摘によって暴かれるという最悪の状況。これらが球団のトップ3の辞任につながった。

 高橋由伸監督(40)が就任し、チームスローガン「一新」を掲げて再スタートを切った矢先での信用失墜。昨年11月には久保球団社長、堤辰佳GM、弁護士、警察OBらによる「紀律委員会」を設置し、若手選手への教育とカウンセリングを行ってきた。NPBが行う再発防止の研修会とも並行し、賭け事の違法性を注意喚起してきた。それらの実効性が問われるような今回の事態。3月25日に開幕するプロ野球界への影響は計り知れない。久保社長は「球団首脳が責任を持って辞任することでぜひ、巨人軍として参加させてほしい」と、痛切な思いを口にした。

 <渡辺恒雄(わたなべ・つねお)> 1926(大正15)年5月30日、東京都生まれ。89歳。東大文学部哲学科を卒業し、50年に読売新聞社入社。ワシントン支局長、編集局総務兼政治部長を経て、79年取締役・論説委員長。80年常務、83年専務、87年副社長。90年5月に代表取締役社長・主筆に就任。96年12月に巨人オーナーとなる。2004年1月から読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆。同8月、明大(当時)一場への裏金問題でオーナーを辞任。05年6月、球団会長、14年6月に球団最高顧問に就任した。

 

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