こんにちは、YMDKです
新型iPhoneが21日にも発表されるようですね!
初代から数えて9回目のモデルチェンジとなる訳ですが、振り返ってみて見るとその間にiPhoneは我々の生活を一変させてきましたよね
世にあるスマートフォンはそのほとんどがiPhoneのオマージュと言っていい程、その形態に個性を見いだす事は困難です
またiPhoneだけにとどまらすMac Bookを持ち歩いてカフェで休憩する事がステータスになっていますし、iPadは世界の一流企業がこぞって導入する程一瞬のうちに社会へと浸透していきました
なぜAppleはこんなにもセンセーショナルな製品作り続ける事ができるのでしょうか
僕の本業であるデザイナーとしての視点から考えてみた結果、そこにはAppleにしかできない以下に挙げる10の事が隠れているような気がします
目次
1.奇抜な発想とそれを実現する度胸
画像引用元:http://ggsoku.com/2013/03/guy-kawasaki-google/
iPhoneは登場するや否や人々の心を鷲掴みにしましたよね
初めて見たときは画面しか無い"ただの板"で一体何ができるんだと訝しんだものです
しかししばらく見ているうちに流麗なその造形美とUIを初めとする驚く程の機能美にみるみる引き込まれていきました
我々の常識はその時完全に崩壊し、初めて出会ったiPhoneという存在に心を奪われてしまったのです
それまでに存在していた俗にいう「ガラケー」を駆逐し、国内の大手メーカーをも脅かす一大ムーブメントとなりました
(SHARPがこんな事になった原因の一つにiPhoneの台頭があると僕は思っています)
他にAppleの製品がそれまでの常識を破壊した有名な話で初代iMacの例があります
スケルトンボディに多彩なカラーバリエーション
それまでのパーソナルコンピューターにはその概念すらなかった「美しさ」という新しい価値をそこに生み出したのです
美しく、そして機能的というデザインの根幹をなす二大要素をAppleはいつもめちゃくちゃに上手くまとめてきます
これらに共通するのはそれまでの常識をぶちこわす「奇抜な発想」であり、Appleがここまで上り詰めたのはそれを実現する「度胸」があったからだと僕は思います
2.心に刺さるキャッチコピー
画像引用元:http://iphone-mania.jp/basic-1606/
「iPhoneか、その他大勢か。」
端的でわかりやすく、それでいて「その他大勢」のスマートフォンにケンカまで売るこの小気味よさ!笑
Appleのキャッチコピーはいつもこんな感じで聞く人の心に刺さる一言でまとめられています
意外と簡単そうに思えますが、なかなかどうしてこの「心に刺さる」という部分が難しいんですよね
CMも無駄な説明を省いて伝えたいところだけをピンポイントで紹介していますが、日本のメーカーのCMを見ているとあれもこれもと情報をてんこもりにするので結局何が言いたいのかよくわからなくなってしまっています
要点だけをわかりやすく端的に伝える!
たったこれだけの事で商品は何倍にも魅力的に見えてきます
それは我々の日常生活でも同じ事
余計な事を言って損をするというのは意外とやりがちです
3.異常なまでの美意識
Apple製品を語る上で、ここは外せません
良い例があります
数年前にiPhone5cという製品が出たのを覚えていますか?
iPhone5の廉価版として登場したこの製品は背面がプラスチックでしたよね
普通こういったプラスチック製品は「インジェクション成形」という高温でドロドロになったプラスチックを金型に射出して冷やして固めるという方法で成形から仕上までを同時に行います
簡単に言うと「たいやき機」みたいな型を使った生産方法で、たくさんの物を作るのに適した制作方法がこのインジェクション成形なんですが、iPhone5cではそのインジェクション成形の後にさらに加工をするという非常に手の込んだ行程で生産が行われていたようです
通常インジェクションは仕上までかねるとは先ほども書きましたが、穴や溝が最初から金型に刻まれているとどうしても樹脂が冷えるスピードが変わるので どうしても平らな面にゆがみが出てしまうんですね
それは微々たる物なんですがAppleのデザイナー達はこれを許さず、厚めに成形したベースプレートを後から削りだし加工で5Cの背面に仕上げていったという事です
恐るべきこだわり…
5cが廉価版と言いつつもあんまり安くなかったのはこうした事情があったからなんですね
4.物作りへの飽くなきこだわり
先ほどの5cもこれに当てはまりますが、初代「iPod touch」の逸話はご存知でしょうか
あの美しい鏡面仕上、実は新潟の小さな町工場で行われていたんです
従業員たったの5名で延べ100万台にも及ぶiPod touchを磨き上げたというお話ですが、これは記事を引用させて頂くので興味のある方はぜひ
相当に要求のレベルが高いApple社の要望をこなしていく様子が書かれていて非常におもしろいです
この会社が受けてくれなかったら、iPod touchの背面が鏡面になる事も無かったかもしれませんね
他に新型iMacの5mmエッジを実現した「摩擦撹拌溶接」や、iPhoneの生産設備の話しなどネタは盛りだくさんですが長くなるのでこの辺で
こうしたこだわりの数々が魅力的な製品となり、我々に感動を与えてくれるのです
5.新しい物を追い求める探究心
画像引用元:http://ascii.jp/elem/000/001/002/1002602/
一番最近出たApple製品としてApple Watchがありますね
売れてないとか色々言われていますが、僕はこの製品がAppleの中で一番好きです
この件に関してはまた近々、別の記事で語ろうと思いますが、新しい物を追い求めるという姿勢においてAppleの右に出る企業はそうそう無いのではないでしょうか
みなさんは当たり前のようにマウスを使っていますよね?
これ、実はAppleが市販のコンピューターとして世界で初めて採用したんですよ!
それから爆発的に世界へと広がり、現代ではスタンダードになっています
他にもそれまでキーボードと画面がセットだった携帯電話界に画面しかないiPhoneを投入してみたり、マジックトラックパッドというノートPCのトラックパッドを拡大したマウスに変わる新しいコントロールデバイスを発表したりとその探求はとどまるところを知りません
たまに失敗もしますが、こうした前しか見ないような姿勢は多くの企業が忘れてしまった大切な要素であるように思います
6.究極のブランディング
画像引用元:http://www.techtimes.com/articles/34030/20150219/2nd-floor-floats-stunning-new-apple-store.htm
Appleのお店はどこに行ってもトーン&マナーが完璧に統一されていますね
多分ガラスとアルミと白木の組み合わせを見ただけでAppleを想像する人は既に相当数居るはずです
(僕もそのうちの一人です)
Appleはこうしたブランディングが異常に上手く、自分たちの価値を最大限にまで高めようとしている事が良く伝わってきます
製品へのこだわりや店舗においての徹底したトーン&マナーの統一はやがて「Appleらしさ」となり、人々の心に深く根ざしていくのです
またAppleのロゴはリンゴマークだけですが、これも企業のロゴとしては衝撃的なまでに斬新なんですよ!
リンゴマークの横に「Apple」と書いてある広告を見た事がありますか?
このリンゴマークは既に文字として機能しているほど洗練された存在となったのです
例えばPanasonicが文字でなくリンゴマークのような物で自社のブランドを表現しようと思っても無理でしょうね
それくらい綿密に、ブランド創設の初期段階から計算し尽くされてAppleの顔となっているのです
7.製品ラインナップの絞り込み
一般的な企業は一つの製品がヒットすると、次に続く製品をリリースしようといろんな物を開発して自分たちの守備範囲を広げようとします
しかしAppleはそれをしません
ここが成功の一番の要因だと僕は思います
(過去に色々やって失敗した事はありますが…笑)
ラインナップを絞り込み、売れる物だけに全てを注ぐ
そしてより良い製品を驚くようなクオリティで市場に提供する
いろんな事に手を出していては予算も人でも割かれてしまいますからそこまでのクオリティを実現できませんからね
こうと決めた道を極限まで突き詰める
そこには利益追求だけでなく、製品の価値を高めたいという純粋な思いが感じられます
8.中途半端な物は作らない職人魂
前述した話とかぶる箇所もありますが、自分たちが満足する物でないと世に出さないというのはできそうでなかなかできない事です
なんだかよくわからん製品が世の中には溢れていますが、Apple製品でそういった類いの物は見た事がありません
それは製品の製造においてもいっさいの妥協なくこだわりにこだわり抜いて作り上げるその姿勢はまさに職人魂の現れではないでしょうか
今や世界で一番価値のある企業にまで成長したAppleですが、根っこの部分は泥臭く良い物を作ってやろうという熱い企業であるという事がわかりますね
9.強気に見えて良心的な価格設定
Apple製品は確かにお高いですが、その機能性や製造工程へのこだわりからすればむしろ良心的とも言える価格設定だと思います
最新技術の惜しみなく投入されたこの上なくモダンなこの「作品」の多くを10万円以下で手にする事ができるなんて、この上なくお手頃なのでは!
Appleは生み出している製品に見合った価格でそれ以上の価値を提供している数少ない企業だと言えると思います
10.みんなをファンにするプレゼン
結局最後はプレゼンの上手い人が生き残るんです
至る所で言われている通り、スティーブ・ジョブズ氏はプレゼンの天才です
英語のまったくわからない僕でも、映像を見ているだけでゾクゾクする何かがありました
それは彼の立ち振る舞いかもしれないし、声のトーンかもしれないし、それ以外の何かかもしれない
何が要因なのかは結局のところわかりませんが、それだけのカリスマ性を会得するには一筋縄では行かないでしょう
それにプラスして異様なまでのこだわり、執着、そして絶対の自信があってこそのプレゼンなんだと思います
結局のところ、みんなをファンにする事がプレゼンの一番の目的です
それを完璧に行ったのがスティーブジョブズであり、彼の手がけた製品は世界中で人気を得る事になったのではないでしょうか
まとめ
めちゃくちゃ長くなりましたが、Appleにできて他のメーカーにできない10の事、いかがでしたでしょうか
Appleという企業には学ぶ事が多く、そのすべてをとても尊敬しています
今後ともすばらしい製品を世に送り出し、我々をわくわくさせ続けて欲しいですね!