【ニューヨーク=高橋里奈】米ホテル大手のスターウッド・ホテルズ・アンド・リゾーツ・ワールドワイドは14日、同社の買収に新たな名乗りがあったと発表した。2015年11月に同業の米マリオット・インターナショナルによる買収に合意していたが、対抗馬が現れた。新たな買い手の詳細は明らかにしていないが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国保険大手の安邦保険集団が主導する企業連合という。
スターウッドは「シェラトン」や「ウェスティン」「セントレジス」などの高級ホテルを展開している。「ザ・リッツ・カールトン」や中価格の「コートヤード・バイ・マリオット」などを手掛けるマリオットによる買収に合意し、世界最大のホテルチェーンの誕生となる合併に向けた交渉を進めてきた。スターウッドによると、10日に「ある企業連合」から1株当たり76ドル(約8640円)での買収という新提案を受け取った。
企業連合による買収総額は約128億ドルになるとみられ、マリオットによる122億ドルの提案額を上回るという。
買収に名乗りをあげたとされる安邦保険は14年にニューヨーク・マンハッタンの高級ホテル「ウォルドーフ・アストリア・ニューヨーク」を約19億ドルで買収すると発表したことで注目された。ブランド力のあるホテルチェーンを傘下に収め事業拡大を図るもようだ。
スターウッドの経営陣はマリオットとの合併を支持する立場に変わりはないとしているが、企業連合による提案も慎重に検討するとしている。