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 慰安婦問題に関する日韓両政府の合意について、ザイド国連人権高等弁務官は10日、「当局が勇気があり、堂々とした女性たち(元慰安婦たち)と意思疎通するのが重要だ」と述べ、両政府が元慰安婦本人らにさらに寄り添い、理解を得るように促した。国連人権理事会での、世界各地の人権状況に関する年次報告の中で触れた。

 ザイド氏はまた、元慰安婦を「日本軍による性奴隷制度を生き延びた女性たち」と表現。「(合意に基づいた)真の賠償を受けたかどうかの判断は彼女たち(元慰安婦たち)だけができる」とも指摘した。

 これに対し、在ジュネーブ日本政府代表部の嘉治美佐子大使は、日韓合意は元慰安婦の「名誉を回復し、傷を癒やすためのものだ」としたうえで、「性奴隷制度との用語は事実に基づかない。日本は歴史や事実を否定したことはない」などと反論した。

 韓国政府の代表は「戦時性暴力の犠牲者たちへの配慮に感謝したい」と発言。合意の実行に向け、慰安婦や支援団体の声を反映する努力を続けるとした。(ジュネーブ=松尾一郎)

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