今度はスティグリッツ氏が首相に反増税説得か-クルーグマン氏に続き
2016/03/15 02:10 JST
(ブルームバーグ):2014年に安倍晋三首相と会談し、消費税率引き上げ先送りの決定に寄与したのはノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン氏だった。今回は、やはり同賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ氏が同様の役割を果たすことになりそうだ。
スティグリッツ氏は1990年代後半のアジアと最近の欧州の危機時に、財政を緊縮させるべきではないと唱えた。同氏は16日、日本の政策当局者らと経済情勢を議論する。コロンビア大学教授の同氏にとって、2017年4月に予定される消費税率引き上げを思いとどまるよう安倍政権に助言する機会となる。税率は8%から10%に引き上げられる計画。
この増税は昨年10月実施の予定だったが、日本経済がそのような衝撃に耐えられないと安倍首相は14年11月に判断。この判断にはクルーグマン氏の説得が一役買っていた。首相の政策ブレーンである本田悦朗内閣官房参与は、まさにそれを期待して首相とクルーグマン氏の会談を設定した。
そして1年4カ月後、「国際金融経済分析会合」の16日の初会合にスティグリッツ氏が唯一の民間人として参加する。5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に向け、政府が有識者を招いて世界経済について意見交換するための同会合には首相のほか、日本銀行の黒田東彦総裁や閣僚、経済顧問らが出席する。
本田参与はこの会合について今月の電話インタビューで、首相が来年の消費増税を見送る決断の場になればよいと思うと語っていた。インタビュー時はスティグリッツ氏の参加はまだ発表されていなかった。
スティグリッツ氏の広報担当者は、討論会のプレゼンテーションの内容について同氏は発言できないと述べた。
原題:Stiglitz Takes Krugman’s Hot-Seat in Japan’s Sales-Tax Debate(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:東京 Christopher Anstey canstey@bloomberg.net;東京 藤岡徹 tfujioka1@bloomberg.net
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更新日時: 2016/03/15 02:10 JST