訃報:上田正昭さん88歳=「天皇は百済人の末裔」と主張

韓日古代史研究第一人者

 日本の古代史研究の第一人者とされる京都大学の上田正昭・名誉教授が13日、持病のため京都府内の自宅で死去した、とNHKが報じた。88歳だった。

 上田氏は韓国や中国など東アジアとの関係を重視する観点で日本の古代史を研究し、早くから「天皇は百済人の末裔(まつえい)」と指摘した人物で、古代の朝鮮史研究でも業績を残した。その功労により、2009年には韓国政府から勲章を贈られている。

 上田氏は1965年、天皇が百済人の末裔であると指摘したほか、日本の建国神話が朝鮮の檀君(伝説上の古朝鮮の王)神話から大きな影響を受けたとも主張した。このため上田氏は当時、日本の右翼から「天罰を受ける」「売国奴は京大から出ていけ」などという脅迫状を送り付けられた。

 また、日本の教科書での竹島(独島)に関する記述については「歴史は事実を正確に記述することが重要であり、政治理念に基礎を置いて記述してはならない」とし、教科書への記述に反対氏ら。

 また、人権問題や在日韓国・朝鮮人に対する差別問題についても積極的に発言し、「朝鮮学校を支える会」の発起人も務めていた。

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