韓国社会が騒然としている。芸能事務所の女性経営者が芸能人らによる売春グループを組織し、財界人らに斡旋(あっせん)していたとして摘発されたのだ。逮捕された容疑者の名前は非公表だが、警察情報で「誰もが知るK−POPの歌姫が含まれている」ことが分かり、一体それが誰なのか、現地では総探偵化しているという。韓国事情に詳しいノンフィクションライター、高月靖氏の緊急リポート。
韓国芸能界ではこれまで、女性タレントの援助交際や性接待といった疑惑が絶えなかった。ついに今月になって、有名女性歌手が売春容疑で書類送検される事件が発生し、韓国主要メディアがこぞって大きく取り上げている。
ソウル地方警察庁・国際犯罪捜査隊は4日、売春の斡旋をめぐる容疑で計11人を検挙したと発表した。このうち売春を仲介したのは、芸能事務所代表の女性、カン容疑者(41)と、同スタッフのパク容疑者(39)らで、売春を行ったのは女性歌手(29)と芸能人志望の女性ら4人だ。
事件のあらましはこうだ。カン容疑者らは昨年3〜5月、米ロサンゼルスで在米韓国人実業家に女性歌手ら4人を売春相手として斡旋した。現地ホテルで1回あたり1300万〜3500万ウォン(123万〜330万円)を受け取ったという。
同年7月にも、韓国・ソウルで、個人投資家に女性芸能人らの売春を斡旋し、1500万ウォン(142万円)を受け取った。斡旋を受けた実業家ら男性2人も、ソウル地方警察庁に摘発されている。
警察は女性芸能人らの実名を明かしていないが、女性歌手について「名前を聞けば誰でも知っている人物」と公表した。女性歌手は所属事務所との専属契約期間を終え、経済苦に陥ったことからカン容疑者に約50万円の借金をした。その手っ取り早い返済手段として、カン容疑者が勧める売春に応じたとされる。