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世界が変わったのだから、自分も変わらなくてはならない。

エンジニア兼デザイナーのナカモリのブログです。

伊藤真著「記憶する技術」から「『覚えること』=『丸暗記』から脱却する方法」について考えました

日記 読書 勉強法

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僕が大学生のときに商法を勉強していて、参考書にしていた本がたまたま伊藤真さんの著書でした。その本が僕に合っていて無事単位が取れたので、「伊藤真さん」=「きっと役に立つ本を書いてくれる人」という関係ができています。

仕事柄、英語と数学を勉強する必要があり、また、僕は子供を持つ父親なので、子供の勉強も気になります。このような事情から、「勉強すること」=「覚えること」=「丸暗記」から脱却するにはどうしたらいいのかを伊藤真著「記憶する技術」から考えました。

(文庫)記憶する技術 (サンマーク文庫)

(文庫)記憶する技術 (サンマーク文庫)

 

例えば、中学校等の定期テストで理科や社会などのいわゆる暗記系は得意なんだけど、数学や英語は不得意という人がいます。「勉強すること」=「覚えること」=「答えを暗記する(丸暗記)」という関係が出来上がっているような感じがします。確かに丸暗記が必要な場合、効率的な場合もありますが、丸暗記が覚えることで勉強することだということではないと思います。

記憶には「知識記憶」と「経験記憶」があります

伊藤真著「記憶する技術」によると記憶には「知識記憶(意味記憶)」と「経験記憶(エピソード記憶)」 の2つあり、それぞれ、

1.知識記憶(意味記憶)
 抽象的な記憶のことで、円周率の数字や歴史の年号、法律の条文など教科書で得られる知識がこれに該当する。
 = 忘れやすい。
 = 例えば、試験の前に丸暗記したことは、試験が終わると忘れている。

2.経験記憶(エピソード記憶)
 個人の経験や出来事を通して記憶したこと。
 = 忘れにくい。
 = 例えば、自分が衝撃を受けたことはなかなか忘れない

(伊藤真著「記憶する技術」より、一部編集)

例えば、スマホゲームの代表「パズル&ドラゴン」のモンスターは2,000種類以上あります。子供がこのモンスター2,000種類を覚えるのはそんなに苦にしませんが、英単語2,000個の意味を覚えるのに四苦八苦しています。おそらくパスドラのモンスターは経験記憶として蓄積され、英単語は知識記憶だから覚えてもすぐ忘れてしまうのだろう。

英語の関正夫さんの「単語暗記法」や元グーグル副社長の村上憲郎さんの「シンプル英語勉強法」で取り上げている単語暗記法は、何回も反復することで知識記憶を忘れにくくするための方法だと思います。

また、知識記憶を忘れにくくするには、経験記憶に変えればいいと言えますが、

知識記憶を忘れないようにするには、経験記憶になるようないろいろなきっかけをつくっていくのがいい。

…(中略)…

「喜怒哀楽」の感情と結びつけて覚えると、あたかもそれを経験したかのような経験記憶となって、忘れにくくなる

(伊藤真著「記憶する技術」より)

とあります。最近、ビジネス書をマンガで解説しているのもありますが、マンガだと覚えやすい、わかりやすいというのも、マンガの登場人物と結びつけているのだと思います。

中学校の定期テストで理科や社会などのいわゆる暗記系は得意なんだけど、数学や英語は不得意という人の場合は、すべての科目を知識記憶で対応しているのではないかと考えられます。なまじっか理科や社会で点数が取れているから、同じ方法で対応してしまうのかなと。

使いこなし方を効率的に経験記憶する

考える前提として、基礎的な知識は記憶していなければいけない。

つまり、記憶とは考えることだといってもいい。

…(中略)…

考える基礎となるのは、あくまで記憶である。理解して、覚える。その作業を暗記というなら、暗記は考えるために必要な基礎、つまり考える土台である。

目指すべきは、やみくもに丸暗記することではなく、いかに効率よく暗記し、それを使いこなすかという記憶術の習得である。

(伊藤真著「記憶する技術」より)

上記から中学校の定期テストで理科や社会などのいわゆる暗記系は得意なんだけど、数学や英語は不得意という人は、次の可能性が考えられます。

  • 暗記したことを使いこなすことができないのではないか。
  • そもそも暗記がゴールであり、暗記を考えるための土台であるという意識がないかもしれない。

理科や社会のテストの場合は、覚えたことを使いこなすためのトレーニングもシンプルかもしれません。数学の場合は、公式を覚えても「この公式を使ってね」という指示はあまり提示されないので、「これはいつ使ったらいいのだろう?」がわからない。すなわち、使いこなし方がわからない覚え方をしていると言えます。英語も同じようなことが言えます。

使いこなし方について、数学の公式のように、使いこなし方が多いものもあります。数学の公式の使いこなし方は、やみくもに暗記するのではなく、効率的に経験記憶するという方法が必要ということになります。

記憶するための具体的な方法

効率的に経験記憶するという方法とは具体的にはどんな方法があるのか?について、伊藤真著「記憶する技術」でいくつか提示してくれていますが、僕がいいなと思った方法は次の方法です。

1.「全体像」を把握する

例えば、勉強する本の目次をコピーして、マスターしなければならないことの全体像を覚えてから、細部を覚えていくという方法です。

2.復習のゴールデンタイムは「一時間以内」と「寝る前の5分」

何かを学んだあと復習を「一時間以内」と「寝る前の5分」の両方で振り返るという方法です。

3.ヒンドゥー・メソッド

1回目の講義を復習は1回目の講義が終わった直後にやります。そして、2回目の講義が終わったら、1回目の復習をしてから2回目の講義の復習をするというように、それまでのすべてをざっと復習するという方法です。前やったことを常にくり返し復習しながら、新しいことを覚えていくという方法です。英語の関正夫さんの「単語暗記法」や元グーグル副社長の村上憲郎さんの「シンプル英語勉強法」とこのヒンドゥー・メソッドを組み合わせるとよりいいかもしれません。

4.「視覚」と「聴覚」をダブルで使う

テキストを目で見て、集中して読みながら、音読することによって目と耳の両方が刺激され、記憶として定着度が増すという方法です。黙読でも心の中で発音しているからいいかなと思っていましたが、耳で聞くことが重要だと思います。音読をやれ!という先生は多いですね。特に英語。

5.B6カードを使った「論点ブロック法」

大きめのカード(B6サイズ)に論点を書き出し、このカードを組み合わせながら覚えていくという方法。使いこなし方をマスターする訓練ができそうです。論述試験の対策やマインドマップも組み合わせて使うといいかもしれません。

6.セルフレクチャー

自分が先生になり、自分自身に授業を再現するセルフレクチャー。この方法は、ロザンの宇治原さんが紹介していたような記憶があります。視覚と聴覚もフルに使うし、講義を再現し、経験しているので、経験記憶になる可能性が高いと思います。

僕は全部実践していない…

上記の1.から6.までの具体的な方法を自分自身が実際にやっているのか?といえば、全部やったことありません。関正夫さんや村上憲郎さんの反復記憶法は過去にやったことがありそこそこの成果を得ています。今度は上記の方法を実践して、『覚えること』=『丸暗記』から脱却したいと思います。