テックスと物語――循環する主題と展開する様式
テックス・アペリーはユーモアにあふれたアニメーション監督として良く知られているが、またそんな彼は物語作家の伝統を継承しているのである。彼は良く知られたお話を使ってお話のテーマを自分なりに解釈しそれを提示した。本論文は「赤頭巾ちゃん」に焦点をあてる。アペリーが 1937年から 1949年にかけて作った6つのアニメーションはこのお話についてのものである。これらはアベリーのスタイルと発想の進展を調べる良い例である。偶然のこっけいさがアペリーの話法の始まりである。やがて彼はこつけいの場面を作り出し、お話の語りを管理するようになった。当初は伝統的なお話は明らかに噂重されている。すなわち、アベリーのお話は現代的にユーモアを加味した翻訳である。徐々にお話のテーマは、物語をはじめるための単なる出発点に過ぎなくなってくる。キャラクターは新しい個性を獲得していく。こうしてアペリーは話法と表現のコードのいずれをも逸脱していく。こうすることで彼は自身のコードを作りあげていく。これらのコードは40年代を通じて一般に使用され、期待されるようになる。最後に、アペリーは赤頭巾と狼のサーガを終わりにする、シリーズの最後のアニメーションで、彼がすでに確立したコードを逸脱し、そしてそれと戯れる。