【記者の目】
野球賭博問題の主な経緯【拡大】
勝利によって報酬を手にすべき選手たちが、目の前の試合の勝利によって仲間に金銭を支払っていたとすれば、大きな違和感がある。
昨年11月、巨人は内部調査の結果、ジャイアンツ球場のクラブハウス内での賭けトランプや高校野球賭博など、ギャンブルが常態化していた事実を公表した。笠原氏ら4人の野球賭博関与により、勝利を目指して必死にプレーする他の選手は多大な迷惑をこうむり、他の11球団も少なからずダメージを受けた。
スタンドのファンが目にすることができる円陣での「声だし」を元にした金銭授受は、刑法上の「賭け」に含まれないとして、詳細が明かされていない。総額で数万円から数十万円にも達する“ご祝儀”のやり取りが日常的に行われていたとすれば、士気高揚を目的とした「験担ぎ」では、社会通念上通じまい。野球賭博がなくても禁止は当然で、事態を適切に把握すべきだ。 (野球デスク・加藤俊一郎)