イスラエル警察、パレスチナ人らに対し危険性の高いスポンジ弾を使用

イスラエルの『ハアレツ』紙は今日日曜日、イスラエル警察はパレスチナ人に対し、危険性が高い新しいタイプのスポンジ弾を2011年から使用していると記事で明らかにした。同紙は、このタイプのスポンジ弾により、失明、肝臓やひ臓などの内蔵や脳の損傷に至るケースがほとんどだと指摘。パレスチナのウェブサイト『アラブ48』によると、スポンジ弾により負傷したパレスチナ人数十名は、これらの症状に苦しんでいるという。

 

 

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『ハアレツ』紙は、イスラエル警察がイスラエル市民権協会(ACRI)に提出したデータによると、ここ二年で約6万発のスポンジ弾が使用され、2015年には2万2千発、2014年には3万5千発、そのうち大部分が東エルサレム地区で発砲、2013年には7,162発、2012年には5,859発、2011年には3,608発が使用されたと報じた。

 

同記事による解説では、2014年以来警察は、青色スポンジ弾から、より重く危険性の高い黒色スポンジ弾の使用に移行、これまでに使用されたスポンジ弾の半数は黒色スポンジ弾で、2015年に使用されたものうち94%は黒色スポンジ弾だったとしている。

 

黒色スポンジ弾の使用により、未成年者や子どもを含む数十名のパレスチナ人が負傷したが、それにもかかわらず、これまで規則に違反した警官らが起訴された事例はない。規則では、高齢者、子ども、女性、妊婦に向けて発砲することを禁じられており、スポンジ弾を使用する際には下半身に向かって発砲しなければならないが、警官らはこれらの指示に従ってこなかった。

 

警察内務調査部「マハシュ」は、スポンジ弾発砲に関して、これまで15件の事案を調査してきたが、子ども一名死亡ほか複数名が負傷した事案を含むその他複数の事案に関しては、いまだに調査中だ。イスラエル市民権協会は、特に黒色スポンジ弾によって両目がえぐられる事例が多発して以来、同種のスポンジ弾の使用中止を幾度となく求めてきた。

 

al-Hayat紙(2016年03月13日付)/ 翻訳:井上剛

 

■本記事は「日本語で読む世界のメディア」からの転載です。

 

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