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【首都スポ】

<首都スポ>東京マラソンでも青学大旋風 下田が日本勢2位、一色3位

2016年2月29日 紙面から

東京マラソン男子 日本勢2位となる全体10位でゴールする青学大の下田裕太(佐藤哲紀撮影)

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 ▽リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねる(男子のみ)▽28日▽東京マラソン財団主催▽東京新聞共催、東京中日スポーツ後援▽マラソンおよび10キロ=9時10分スタート▽マラソン=東京都庁−東京ビッグサイト間の42・195キロ▽スタート時の気象、晴れ、気温13・3度、湿度34%

 またしても青学旋風が吹き荒れた。正月の箱根駅伝で連覇を達成した青学大から初マラソンに挑戦した下田裕太(2年・加藤学園)が2時間11分34秒で10代日本人最高記録(2時間15分30秒)を大幅に更新し日本人2位の10位でゴール、2時間11分45秒で日本人3位の11位だった一色恭志(3年・豊川)とともにリオデジャネイロ五輪代表選考条件を満たした。箱根駅伝の2区で2年連続区間賞を獲得した服部勇馬(4年・仙台育英)は2時間11分46秒で12位だった。

 正月の箱根路に続き、2月の東京都心もフレッシュグリーンの軍団が席巻した。41キロすぎ、箱根駅伝8区区間賞の下田が服部をとらえ日本人2位に浮上しそのまま力強いガッツポーズでゴールを駆け抜けると、その11秒後、一色も服部をゴール直前で抜きフィニッシュ。「きつかったけど、いい位置で走れたので結果論では楽しかった」と下田が声を弾ませれば、一色も「今までずっと負け越してきた勇馬さんの大学最後の試合で、僅差でも勝てたのはよかった」と笑顔で振り返った。

 1キロ3分を切る世界レベルのハイペース、そしてリオデジャネイロ五輪代表がかかるレースにもかかわらず、先頭を追わずペースも上がらないベテランの実業団相手に、19歳と21歳の大学生が積極性を見せつけた。17キロすぎ、下田が日本人集団の先頭に立ち「着いてこい」とばかりに手招きする。「つまらないレースだったし、みんなもっとペースを上げたいだろうと思ったので口火を切ってみた」と下田。その後は一色も30キロで集団がばらけるまで集団を引っ張り、存在感を見せつけた。

 19歳ながら箱根のエース級や実業団を向こうに回した下田だが、素顔は今どきの若者らしさ全開だ。アニメ好きで、アニメ関連のイベントが行われるゴール地点のビッグサイトは「聖地じゃないけど憧れの地。隠す必要もない」と公言する。敗れた一色も「試走のときもビッグサイトの写真を撮りまくっていて、(レースで)ビッグサイトが見えたらいきなり下田のペースが上がった。その気持ちの差で負けた」と暴露するほどだった。

 思いがけずリオ五輪代表の選考対象になった下田。「転がり込んできた日本人2番。(代表の)権利はあっても厳しいと思う」と謙虚に振り返りながらも、「自分の未来に希望は持てる。19歳でこんな経験ができたので、(東京五輪へ)やってみる価値はあると思う」ときっぱり。青学大からまた新星が誕生した。 (川村庸介)

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

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