大学スポーツ紙特別編　１面を飾ったヒーロー最終回

大学スポーツ紙競演シリーズ、本年度最後の企画「２０１５年度　わが大学スポーツ紙１面を飾ったヒーローたち」の最終回は、明大「明大スポーツ」、早大「早稲田スポーツ」の２紙です。

　昨年の春季リーグ戦で２２季ぶりの優勝、インカレ準決勝では大学ホッケー界の王者・天理大を下し、２７年ぶりの準優勝に輝いた明大ホッケー部。その中心にいたのが谷光未有（みゆ、法２＝天理）だ。１年時にサムライジャパンに選出され、海外遠征で２得点を記録。春季リーグ戦では優勝決定戦のハットトリックを含めた１６得点、インカレでは天理大相手に同点ゴールを決め、チームの窮地を救う活躍を見せている。「未有がチームの中心なのは間違いない」（川村敬亮・政経２＝今市）。チームから信頼も厚い真のエースへと成長した。

　チームの躍進を支えた谷光だが、大学入学後２度目の海外遠征では厳しい現実が待っていた。１１月に行われたジュニア・アジアカップに出場したが、得意にしているＰＣ（ペナルティーコーナー）のシューターの座を代表では山田（天理大）に奪われた。

　さらに「どの競技でもお互い熱くなる」と意気込んで臨んだ３位決定戦の日韓戦。１点ビハインドのＰＣのチャンス。同点のチャンスでシューターに指名されたが、シュートはポストに嫌われ試合にも敗れた。「この悔しさを忘れることは一生ないと思う」。１年ぶりの世界の舞台は実力を出し切れず、不完全燃焼で終わった。

　「世界を経験したからこそ日本一の思いもより強くなった」。春から３年になる谷光はエースとしてだけではなく、上級生としてもチームの中心となる。さらに、今年１２月にはジュニアＷ杯が開催され、再び世界に挑戦するチャンスもある。「本気で日本一を目指す意識でやらないと世界には目を向けられない」と普段の練習から高い意識を持って取り組んでいる。まずインカレで２９年ぶりの日本一を手土産に、ジュニアＷ杯でアジアカップの悔しさを晴らす。　（常光純弘）

　◆常光純弘（つねみつ・よしひろ、法学部２年）「明大ホッケー部はおととしに全日本大学王座決定戦、インカレ３位、昨年は記事通りの成績で１年ごとに成績を上げています。メンバーも２０２０年東京五輪のメンバーに名を連ねていてもおかしくない実力者が多いです。その中でも、同学年の谷光と川村に注目！　この２人は明大で大学日本一をステップに、世界で活躍する選手になってくれるはずです」

　昨秋行われたラグビーワールドカップ（Ｗ杯）２０１５イングランド大会。日本代表は初戦で強豪・南アフリカ代表を下すなどの快進撃を見せた。予選プール敗退とはなったものの、日本代表の快進撃は日本国民に大きな感動を、そして日本のラグビー界に大きな希望を与えてくれた。その歓喜の輪の中に、一人の早大生の姿が。藤田慶和（スポ４＝東福岡）だ。

　ラグビー蹴球部では副将を務めながら、日本代表の一員としても活躍した藤田。その陰には、早大メンバーの支えがあった。「世界一の拘束時間」といわれていた日本代表だけあって、チームを離れることは多い。しかし、早大のメンバーは信じていた。

　「慶和の活躍はチームの刺激になる」（岡田一平前主将、スポ４＝大阪・常翔学園）。たとえ早大を離れることになろうと、藤田ならチームに良い刺激を与えてくれる。藤田なら、たとえチームを離れていても早大のためになることを発信し、還元してくれる。そう信じる「仲間」の存在があったからこそ、藤田は存分に実力を発揮できたのだろう。

　日本代表としての活動を終え、早大に合流した藤田の復帰戦は早慶戦だった。続く早明戦、全国大学選手権にも出場。厳しいマークに遭いながらも、持ち前のランで何度も会場を沸かせた。だが健闘むなしく、チームは同選手権セカンドステージ敗退。藤田は人目をはばからず涙を流し、悔しさをにじませた。

　２０１９年に日本で開催されるＷ杯では、「自分がチームを引っ張っていきたい」と意気込む藤田。大観衆の中、グラウンドを駆けるその雄姿が今から楽しみだ。　（進藤翔太）

　◆進藤翔太（しんどう・しょうた、法学部２年）「Ｗ杯イングランド大会では、予選プール最終戦となる米国戦に初めて先発出場し、１トライを挙げた藤田選手。トライの後には、カメラに向かって両手で『Ｗ』をつくり、笑顔でポーズ。後日、取材でこのことを尋ねると、『早大のみんなに、支えてくれてありがとうと伝えたかった』と語ってくれました！　チームへの愛を感じることができる一幕でした」

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　首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中