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【首都スポ】

目指せ!!リオ五輪切符!! 田中智美は世陸落選の悔しさバネ

2016年3月13日 紙面から

名古屋ウィメンズマラソンへ向け調整する田中智美=東京都世田谷区で(隈崎稔樹撮影)

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 リオデジャネイロ五輪代表選考会を兼ねた名古屋ウィメンズマラソンが12日、ナゴヤドーム発着の42.195キロで行われる。首都圏ゆかりの選手では、千葉県成田市出身で2014年横浜国際女子マラソン優勝の田中智美(28)=第一生命=、東京都世田谷区出身で14年アジア大会4位の早川英里(34)=TOTO=らが有力選手として名を連ね、五輪代表入りを目指す。

 胸の奥にしまい込んだ悔しさを晴らすときがやってきた。昨夏の世界選手権代表の座を逃した田中は「次、頑張ればいいじゃん。誰もが納得するタイムとレースをしよう」と前だけを向いて、突っ走ってきた。

 2014年横浜国際で2時間26分57秒で優勝し、日本代表入りが有力視されていた中でまさかの落選。昨年3月、鹿児島県徳之島で合宿中に、チーム内で共有するLINE(ライン)で連絡を受けた。日の丸を背負う3人に「田中」の文字がなく、「冗談と思った。自分でもまあ、いけるだろうと思っていたので…」と、脱力感に覆われた。

 山下佐知子監督も黙っていなかった。「本人の気持ちを代弁するくらい怒りを表した。少し演技したかもしれないくらい」と、田中の気持ちに寄り添った。田中は、チームの仲間が自分以上に憤ったことにも救われ「その日の午後には、走り出していた。みなさんのおかげです」。しっかりと気持ちを立て直した。

 名古屋ウィメンズに向けた練習は、昨年12月末に本格化。オーストラリアのフォールズクリークで50日間、ニュージーランドのネルソンで3週間の合宿を立て続けに敢行した。「これまでで一番走り込みができて、いい練習ができた」。名古屋の目標は「優勝」の二文字。海外勢にも果敢に挑む覚悟だ。「どのくらいと伝えられないくらい(五輪に)出たい。出るだけじゃ、つまらないのでしっかり勝負したい」。リオの舞台を見据える以上、ここでつまずくわけにはいかない。

 昨年4月から好きなビールも断って、名古屋に全てをかけてきた。今度こそ、誰もが納得するレースを見せ、笑顔で祝杯を上げてみせる。(福沢和義)

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

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