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【首都スポ】

テニス 清水綾乃&田島尚輝、いざ赤土のパリへ

2016年3月14日 紙面から

◇全仏OPジュニア2016WC選手権

 テニス「全仏オープン・ジュニア2016ワイルドカード(WC)選手権大会」の日本予選が東京都北区の味の素NTCで行われ、11日のシングルス決勝で、女子は17歳の清水綾乃(群馬・高崎TC)、男子は15歳の田島尚輝(東京・TEAM YONEZAWA)が優勝した。日本予選は初開催で、2人は5月にパリで行われるWC選手権に出場、優勝者だけが進める本大会の推薦枠獲得を目指す。関東勢の2人、いざ、赤土のパリへ!  (山内明徳)

得意のバックハンドで攻める清水(北田美和子撮影)

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◆清水綾乃 群馬・高崎TC

 攻めて、攻めて、攻めきった。清水の力強さが際だった展開だった。

 相手の佐藤久真莉(ひまり)は4つ年下の13歳。清水に比べれば線も細い感じだが、ITFジュニアランク(3月7日時点)では245位。清水の309位より上で、力の抜けたライジングショットにセンスを感じる“大器”だ。清水は「相手は今大会最年少だし、対戦は初めて。正直勝ててほっとしている」とちょっと安堵(あんど)した表情を見せた。

 第1、2セットともセットポイントは、バックのラリーの強打で押し込み、浮いたボールをフォアで打ち込んだ。「バックのクロスラリーが得意。打ち合いでは負けない」と自信のあるショットで、「相手が逃げていく(弾道の高い)ボールを使ってきても下がらずに攻め切れたのが勝因」と思った通りの試合展開になった。

 パリに向けては「クレーは遅いイメージがあって、得意じゃない。日本では決まっていたショットも通用しないかもしれない。その分守備の面を強化していきたい」。プレーの激しさとは打って変わって静かな語り口でパリの戦いをイメージしていた。

攻守の切り替えが巧みな田島の豪快なフォアハンド

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◆田島尚輝 東京・TEAM YONEZAWA

 相手の清水悠太は1歳年上でITFジュニアランクでも45位と、田島の110位を上回る。互いに日本のトップジュニアとして最近は南米遠征にも一緒に行った間柄で、手の内も分かっていた。「彼のプレーを頭の中で整理してから試合に臨んだのがよかった」と田島は振り返ったが、インドアで無風という好条件も後押しし、互いの持ち味が発揮された接戦だった。

 広角に打ち分ける清水に、打ち合いからいきなりドロップショットなど変化をつける田島。特に最終セット5−6から追い上げる場面で見せたベースラインからのドロップショットは圧巻。タイブレークの場面では、ラリー中にガットが切れたため、急きょ前に詰めボレーで決めるという、中学生とは思えない冷静沈着ぶり見せた。

 クレーコートでの練習が多くて好きだといい、「遅いテンポでやりあって、急に展開を早めたり、前に出たり。ハードコートだとボールがパンパン決まって生かせないけれど、クレーだと自分のプレーが生かせる」と語る。

 この日の試合では清水のボールに振り回される場面も多く「かなり脚にきていた。今日みたいにへばらないようにしたい」と反省も。5月までに十分スタミナをつけ「優勝してワイルドカードをつかみたい」。2カ月後の試合に向け目を輝かせた。

    ◇

 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」面がトーチュウに誕生。連日、最終面で展開中

 

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