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【大相撲】

琴奨菊、盤石の白星発進 高安を危なげなく寄り切り

2016年3月14日 紙面から

琴奨菊(左)が寄り切りで高安を下す=エディオンアリーナ大阪で(市川和宏撮影)

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◇春場所(初日)

 (13日・エディオンアリーナ大阪)

 初場所で優勝した大関琴奨菊(32)=佐渡ケ嶽=は高安(26)=田子ノ浦=を寄り切り、初の綱とり場所で白星スタートを切った。一方、横綱白鵬は小結宝富士に、横綱鶴竜も関脇豊ノ島に寄り切られて敗れる波乱が起きた。横綱日馬富士は小結栃煌山を押し出した。大関陣はともにかど番の豪栄道は隠岐の海を、照ノ富士は栃ノ心をともに寄り切り、稀勢の里は初顔の琴勇輝を突き落とした。十両に転落した遠藤も黒星を喫した。

 琴奨菊が綱とりロードの第一歩を踏み出した。左を差して右から抱える盤石の形で高安を寄り切った。場所前、部屋に出稽古に来た高安を見て「(体が)大きく見えた」と、ちょっぴりビビっていたのがうそのような冷静な取り口。琴奨菊も納得顔だ。

 「満足しています。いい相撲で攻めて勝ったから、いい流れが来ると思う」。大事な場所の初日にも「ここで硬くなるようじゃダメ。先場所の方が緊張した」と笑うほど余裕もあった。

 高安よりも、むしろ体が大きく見える。先場所で日本出身力士として10年ぶりの賜杯を抱いた。2月以降はハードスケジュールをこなしながら稽古とトレーニングに励んできた。2月には塩田宗広トレーナーが4回、部屋のある千葉・松戸まで出向いた。番付発表後にも4回、トレーニングをサポート。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「肩まわりは大きくなってきた。胸板も厚くなってきた。お尻も大きくなってきた」と、先場所にも増して弟子の体つきに目を見張る。

 イベントやテレビ出演なども重なり、疲れはたまっているはずだ。だが、琴奨菊は一切、弱音を吐かない。数ある先代佐渡ケ嶽親方(元横綱琴桜)の教えを生かした。「疲れてきたら、ガッと酒を飲んで寝るんだよ」。下戸の琴奨菊は教えをそのまま実行できないが、前夜は午前0時に就寝してたっぷり睡眠を取った。「体も気持ちも充実して土俵に上がれたかな」。万全の態勢で臨めた。

 3代目若乃花以来、18年ぶりの和製横綱誕生を目指す道のりは初日が終わったばかりだ。「後悔しないように一日一番相撲を取って、自分が納得していればいい」。一日一日、力を出し切ることが綱への道を切り開く。 (永井響太)

 

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