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あの「PC-98」が高値で売られ続けていた、その意外な使われ方 血相変えて修理に来る人も

withnews 3月14日(月)7時0分配信

PC-98が組み込まれた生産ライン

 80年代後半-90年代前半のバブル経済期に設備投資された工場設備は、開発コストを抑えるため、当時の汎用機だったPC-98でシステムを組むケースが多かったという。その後、不況に見舞われるなどしてシステムを更新するタイミングを逸して当時のまま使い続けている工場こそが、今もPC-98が活躍する現場だ。

 そう聞くと、設備投資に費用をかけられず最新デバイスにもなじめないような町工場の高齢経営者を想像してしまう。しかし、意外にもロングセラー商品を作っているような大企業ほど、古い設備の更新に膨大な費用がかかるため、古いPCを使い続けるケースが多いという。

 ほとんどがウィンドウズ以前の「N88-BASIC」や「MS-DOS」といった当時のOSで動いている。ミシマの顧客には「自動車やインフラ、電車製造など、みんな知ってる有名な会社さんもいます」とのこと。

倉庫には1千台のPC-98

 ちなみにNECによると、PC-98の保守期間は2010年10月に終了している。新品の買い替えが不可能なうえにパーツ供給もないため、ユーザーは既存の機器やパーツを修理しながら使い続けるしかない。

 そのためミシマでは、倉庫にPC本体だけで約1千台を確保。CADのデータを読み書きするためのフロッピーディスクドライブは2千台近くあるという。仕入れ時にはジャンク品同然だったりするものも、分解して部品交換したり顧客の求める仕様にカスタマイズしたりしながら、きちんと動くようにして一日に数台のペースでコンスタントに売っている。

「生産ラインが止まった」駆け込む工場担当者も

 こういった専門業者に頼るしかない現場のニーズは切実だ。なかには「PC-98が壊れたせいで生産ラインが止まってしまった」と、アタッシェケースに入れて持ち込み修理に駆け込んできた工場担当者もいたという。

 周辺機器も引っ張りだこだ。1万800円の未使用品のマウスは在庫切れ。ハードディスクは内蔵タイプの80MBモデルが1万2960円だ。

 業務用のバーコードリーダーは4万8600円。LED式の最新型を、変換アダプターを介してPC-98に接続できるように加工している。自動車部品工場で、出荷時のタグの読み取りに用いられるという。

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最終更新:3月14日(月)11時37分

withnews

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