第4局でついに人間が勝った。イ・セドル九段待望の初勝利だ。
3局目の一方的な勝利の後、本局も黒のAlphaGoが気持よく打ち進めている様に思えた。セドルさんの碁とは思えない程、抑えこまれていたと思う。
しかし中央で妙手を放った後にAlphaGoがミスを連発して崩れた。
白としては、中央で手が無ければそのまま負けを認めるしかない状況だった。渾身の勝負手がAlphaGoのヨミの盲点をついた様だが、そこでまだ冷静に対処していれば黒が悪くなかった筈だ。これまで恐ろしい程の強さを見せていただけに、不可解な乱れに本当に驚いた。
日本棋院の幽玄の間ネットでは、解説者の私はじめ観戦者一様に「今日もダメか・・」という空気になっていた。
白78手目ワリコミ一発でノックアウトしたのは流石イ・セドル九段だ。やはりスターは違う。お陰で私も非常に明るい気分になる事が出来た。
最終局は本来ニギリ直しで先後を決めるが、イ・セドルさんが黒で打ちたいという提案をして受け入れられた。
AlphaGoは白が特に強く、それに勝ちたいとの事だった。厳しい戦いになるのは間違いないが、勝って終わる事が出来たなら感動的だ。