「現存する『就活本』としては断然のベスト」と経済評論家の山崎元さんが太鼓判を押す『進め!! 東大ブラック企業探偵団』という「企業分析小説」が今、東大・京大でいちばん売れている。
その本の著者で、東大経済学部生の大熊将八さんが、3月1日の就活解禁日に、就活生向けのセミナーを開いた。場所は、東大本郷通りと言問い通りの交差点近くのイベントスペース。
小説のモデルとなった「Tゼミ」(瀧本哲史京大准教授が顧問)で実践されている最強の企業分析の「秘伝」を伝授すると銘打ったこのセミナーで、就活生30余名を前に語った、「本当のホワイト企業」「実は危ないブラック企業」の見分け方とは?
「就活強者」でさえ「情報弱者」
2017年卒の就職活動が3月1日に解禁されてから1週間あまりが経過しました。就活生は連日、スーツに身を包んで合同説明会の会場を渡り歩き、移動する電車内で不慣れな分厚い就職情報誌に必死に目を通しています。
「OB訪問は積極的に活用するべき」「いや、行く意味がない」
「エントリーシートや面接での自己PRは、自分を盛れ」「素のままの自分で勝負しろ!」
「もう、内定が出ている人がいる」
そんなてんでバラバラな情報があちこちで飛び交い、何を信じていいのかわからなくなる。
それもそのはず、就職活動の場では大量の「広告」と「思い込み」の情報が垂れ流されていて、正確な判断材料となるものはほとんど流通していません。
どういうことでしょうか。
それは、就職情報誌の「ビジネスモデル」を考えてみると一目瞭然です。リクナビやマイナビなどの企業情報サイトを使う際、ユーザーである学生がお金を払うことはまずないですよね。就活エージェント主催のイベントや説明会もほとんどは無料でしょう。ではそれらのサービスを提供する会社はどうやって儲けているのか?
第一の収入源は、広告を出稿している企業のスポンサー料です。他にも採用の成約に応じて報酬が支払われることもありますが、とにかく、就職情報メディアの収入を支えているのは企業であって学生ではありません。だから構造的に、就職情報メディアは企業にとって都合の悪いことを載せられないのです。企業の説明会も自社の宣伝の場だから、同様のことが言えます。
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