北京のランダム・ウォーカー

中国は「言論統制」も世界一!反共産党・反毛沢東の言説には粛清が待っている

安倍政権の比ではない

2016年03月14日(月) 近藤 大介
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〔PHOTO〕gettyimages

中国共産党を守る「二刀の剣」

中国政治というのは、「準備がすべて」である。習近平主席にとっての全国人民代表大会(3月5日~16日に開催する国会)は、2月19日に、実質上始まっていた。

この日、朝8時40分、習近平主席は、北京東郊にある中国共産党中央機関紙の人民日報社へ赴いた。そこで福建省寧徳赤渓村を取材中の同紙記者とネットを繋ぎ、村民たちと会話して、「いまは貧しいが未来には富めるようにしよう」と確約。

次に編集室と、新メディアセンターを視察した。そこで机上に置いてあったパソコンを勧められると、緊張した様子で右手の人差し指を1本立て、おそるおそるキーボードに触れた。昨年11月には「世界インターネット・フォーラム」を開催したというのに、どうやらこれまでパソコンとは縁のない生活を送ってきたようだ。

続いて午前10時、宣武門にある新華社通信本社へ着いた。ここでも河南省蘭考県谷営四村で村民の意識調査をしている記者とネットを繋ぎ、習近平主席は、彼らの堅固な党への忠誠を確認した。

続いて新華社のネットサービス空間「現場新聞」を視察。そこで「いいね」のボタンを押すよう教えてもらい、再びおそるおそる右手人差し指を立てた。

3番目は、11時15分に、光華路にある中国中央テレビの新社屋に着いた。今度はワシントンにあるCCTV北米センターと繋いで、「設立4年になりますが、毎日5時間、独自の番組を作っています」との報告を受けると、習近平主席はご機嫌だった。

その後、夜7時のメインニュース『新聞聯播』のスタジオへ行き、38年間続いているCCTV最長不倒の番組のスタッフたちをねぎらった。確かに、いまや毎晩5億人以上が見ていると言われるこの30分のニュース番組は、「今日の習近平主席」が冒頭から延々と続く。たまに習主席が出てこないと、「あれっ、今日はカゼでも引いたのかな?」と思ってしまう。

この中国3大メディアの視察を終えた習近平主席は、午後に「党の新聞世論活動座談会」を開き、午前中の視察に帯同した劉雲山党常務委員(共産党序列5位)や党中央宣伝部の幹部たち、3大メディアを始めとする主要メディアの責任者が勢揃いした。

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