Windows 10に搭載された新しい標準Webブラウザ「Microsoft Edge」。まだWebブラウザ全体の中でシェアは低く、存在感を示すには至っていないが、Microsoftは2016年を「Edge飛躍の年」にしようと準備を進めている。
その飛躍の第一歩が、拡張機能の「Extensions for Edge」だ。その名の通り、ブラウザの機能を拡張する仕組みであり、従来までのネイティブコードによるプラグインではなく、HTMLやJavaScriptなどWebの標準技術を使ってブラウザにさまざまな補助機能を施すことができる。Chromeをはじめとする最近のモダンなブラウザでは必須の機能であり、これをサポートしてからがシェア争いの本番と言えるだろう。
このExtensionsは、2016年6月前後に一般向け配信(CB:Current Branch)が行われるWindows 10の次期大型アップデート「Redstone」(開発コード名)で目玉機能になるとみられている。また、Windows Insider Programの参加者向けにはMicrosoftの年次開発者会議「Build 2016」が始まる3月末までには、Windows 10 Insider Preview最新ビルドに含まれて配信される見込みだった。
しかし、米WinBetaのザック・ボーデン氏とThurrott.comのブラッド・サムス氏がMicrosoft関係者の話として伝えるところによれば、Windows 10 Insider Previewの次回アップデート「Build 14284」はExtensions for Edgeをサポートする最初のビルドとなり、間もなくFast Ringユーザーへの配信が開始されるという。
現在、Fast Ringユーザーに提供されているデスクトップ版Windows 10のビルド番号は3月4日(米国時間)配信の「Build 14279」だ。一方で、Microsoft内部(Internal Ring)ではBuild 14284が3月7日に配信されており、タイミングとしては3月14日週前半にFast Ringへ配信されると予想される。
この情報が本当であれば、Build 14284はBuild 2016の開催を前に、恐らく直近では最大のアップデートになるだろう。仮にこのタイミングでの配信が見送られたとしても、1〜2週間以内には同機能を含むビルドが利用可能になると考えられる。
また、イタリアのWindows情報サイトであるWindowsBlogItaliaは「Page Analyzer」というExtensionのリーク画像を紹介している。これが意味しているのは、少なくともリーク画像が出回る程度には、Extensions for Edgeのリリースが近いということではないだろうか。
Extensions for Edgeは、基本的にChromeなど競合ブラウザのExtensionsとほぼ同じものであり、Edge向けに若干の修正やコード追加を行うだけで利用できる。つまり、Extensionsを開発するデベロッパーらは同機能に対応したWindows 10 Insider Previewを入手できれば、すぐにも機能テストを行ってExtensionsのリリースが可能となるだろう。
現在のところ、Extensionsの配布方法についてはアナウンスされていないが、Windowsストア経由での配布になると考えられている。これにより、Extensions経由でマルウェアを配布するような悪意のある行為をMicrosoftが防げる可能性が高まり、安全性が向上するためだ。
一方で、RS1として一般ユーザー向けの配信が開始されるまでの半年弱の期間はどうなるのかだが、こちらも同様にWindowsストアのカタログの一部として、Windows Insider Programの参加者がリストからExtensionsを選んで利用できるようになるのではないだろうか。
いずれにせよ、3月末にはBuild 2016の開催もあり、Windows 10の新機能や拡張に関する話題が比較的豊富に出てくると思われる。興味のある方は、ぜひチェックしていただきたい。
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