2016年03月12日

『ハーメルンの誘拐魔』 中山七里

ハーメルンの誘拐魔 -
ハーメルンの誘拐魔 -
10〜12日。

犬養隼人シリーズ3作目。
三作目だっけ?と思ったけど
「七色の毒」もそうだったのね〜。
すっかり忘れてた。

病院からの帰り道、母親が目を離した隙に
15歳の少女・香苗が消えた。
現場には中世の伝承「ハーメルンの笛吹き男」の絵葉書が残されていた。

警視庁捜査一課の犬養隼人が捜査に乗り出し、
香苗が子宮頚がんワクチン接種の副作用によって記憶障害に陥っていたことが判明する。

数日後、今度は女子高生・亜美が下校途中に行方不明になり、
彼女の携帯電話と共に「笛吹き男」の絵葉書が発見された。
亜美の父親は子宮頚がんワクチン勧奨団体の会長だった。

ワクチンに関わる被害者と加害者家族がそれぞれ行方不明に。

犯人像とその狙いが掴めないなか、
さらに第三の事件が発生。
今度はワクチン被害を国に訴えるために集まった少女5人が、
マイクロバスごと消えてしまったのだ。

その直後、捜査本部に届いた「笛吹き男」からの声明は、
一人10億、合計70億円の身代金の要求だった…。

今回は、2人目の誘拐で真犯人が分かっちゃったなぁ。
だからこそ、先が気になった。
私が思う犯人が真犯人なのかって。

子宮頸がんワクチンのワクチン禍がテーマの今作。
あまり知られていない副反応。
でもニュース番組の特集とかで
何度か副反応に苦しんでいる女の子たちを観たことがある。

それでもそれほど話題にならなかったのには、
こういった背景があったのかぁと納得。
中山さんは、この問題を取り上げたかったのかな?
これだったら、犬養さんたち警察関係者も応援したいけど、
犯人側を応援しちゃう。
身代金の引き渡しが妙に力入っちゃったもんね。

誰もつかまらず、そして製薬会社や
厚生省が過ちを認める・・・ついついそんな結末を期待しちゃった。
もちろん、そんな結末にはならなかったけどね。
posted by くりきんとん99 at 19:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 中山七里 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月11日

『ぶたぶたの甘いもの』 矢崎存美

ぶたぶたの甘いもの (光文社文庫) -
ぶたぶたの甘いもの (光文社文庫) -
4〜10日。

今度のぶたぶたさんは和菓子屋さん!

町の小さな稲荷神社の参道に
知る人ぞ知る「和菓子処しみず」はある。
春夏秋冬を感じられる和菓子はもちろん、
甘酒やおでん、焼きそばまで食べることのできる
甘味処まであるそのお店の店主は、山崎ぶたぶた。

今回は、連作短編。
この「和菓子処しみず」に訪れる
いろいろなお客さん立場から書かれている。

そのお客さんは、稲荷神社を探してやってきて、
帰りに和菓子屋さんを見つけて立ち寄った人だったり、
近所に引っ越してきた若者だったり、
亡くなった御主人が常連だったことから、
このお店に立ち寄った人だったり・・・。

どのお客さんも、やっぱり驚く(^_^;)
そりゃそうでしょう。
それを読むのがまた楽しいんだけど。

そして驚いていながらも
この不思議なぶたぶたさんを
受け入れちゃっているところがすごいんだよね〜。

それが面白くて、このシリーズを読んじゃうんだよ。
もちろん、癒されるからっていうのが一番だけど。

このぶたぶたさんが作る和菓子、食べてみたいなぁ。
でも娘に振り回されているぶたぶたさんも見てみたいなぁ。
posted by くりきんとん99 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 矢崎存美 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月05日

『BAR追分』 伊吹有喜

BAR追分 (ハルキ文庫) -
BAR追分 (ハルキ文庫) -
29〜3日。

新宿三丁目交差点近く―かつて新宿追分と呼ばれた街の
「ねこみち横丁」の奥に、その店はある。
そこは、道が左右に分かれるまさに追分だ。

BAR追分。昼は「バール追分」としてコーヒーやカレーなどの定食を、
夜は「バー追分」として本格的なカクテルや、
ハンバーグサンドなど魅惑的なおつまみを供する。

人生の分岐点で、人々が立ち止まる場所。
昼は笑顔かかわいらしい女店主が、夜は白髪のバーテンダーがもてなす。

この物語は、その「BAR追分」に訪れる常連客だったり、
たまたま訪れたお客さんだったり、関係者だったり。
そこで、織りなす人間模様っていうのかな?
そういったものが描かれている。

でも一応メインになっているのは宇藤クン。
宇藤クンは、シナリオライター志望で、
ライターとして働いていたんだけど、
「ねこみち横丁」のHP記事を担当。
そのHPの依頼を受けていた会社が解散。

宇藤クンは、「ねこみち横丁」の振興会で
専業職員として働くことになる。
この「BAR追分」の上で。

宇藤クンは、シナリオの勉強をしながら、
このお店に来る人たちと交流したり、観察したり。

そして登場する美味しそうな食べ物や飲み物。
ホント、美味しそうなんだよね〜。

連作短編になってるけど、
一番のお気に入りは、ボンさんの話。
ステキな話だったなぁ。
ちょっと予想外だったけど。

伊吹さんの作品を読むと優しい気持ちになれるけど、
これを読むと食べたいものが増えて、
さらに空腹を刺激され、ちょっとツラくなるかも!?
posted by くりきんとん99 at 14:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 伊吹有喜 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年03月02日

読書メーター 2月のまとめ

2016年2月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2415ページ
ナイス数:573ナイス

通い猫アルフィーの奇跡 (ハーパーBOOKS)通い猫アルフィーの奇跡 (ハーパーBOOKS)感想
アルフィーの起こした奇跡・・・。素敵な物語だった。
読了日:2月28日 著者:レイチェルウェルズ
風が強く吹いている (新潮文庫)風が強く吹いている (新潮文庫)感想
箱根駅伝に興味のない私だったけど、十分に楽しめた。来年は見るべき?箱根駅伝好きの母にこの本をプレゼントしちゃおうかな。
読了日:2月27日 著者:三浦しをん
炎の塔炎の塔感想
パニックモノは、苦手意識が強く、読友さんに勧められなければ手にしなかった。読んでみるとパニック小説というより、危機に瀕した人たちの人間模様が描かれ、予想以上の面白さ!でもこれを読んじゃうと、高層ビルに上るのは嫌になるかも?
読了日:2月19日 著者:五十嵐貴久
水底の棘 法医昆虫学捜査官水底の棘 法医昆虫学捜査官感想
シリーズ三作目も面白かった。今回は、なかなか被害者の身元も死因も分からず迷走が続きどうなることかと思ったけど、さすが赤堀先生!そして今回は、まさかあの二人の身に危険が…!!最後まで楽しませていただきました。
読了日:2月13日 著者:川瀬七緒
闘う君の唄を闘う君の唄を感想
まあまあ面白かったし読みやすかったけど、お仕事小説としてもミステリーとしてもちょっと中途半端かな。真犯人もすぐ分かっちゃったし。
読了日:2月6日 著者:中山七里
チルドレンチルドレン感想
てっきり未読だと思ってたけど、強盗の話で読んだことがあったことを思い出した。でもほとんど覚えていなかったから十分に楽しめた。陣内のキャラがやっぱりすごい。すごく続編が楽しみ。
読了日:2月3日 著者:伊坂幸太郎

読書メーター

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6冊しか読めなかったのかぁ〜。
でも濃厚だったかな?

面白かったのは、
後半の『風が強く〜』と『通い猫〜』。
この2作はすっかりお気に入り。

箱根駅伝を観てみたくなったし、
猫を飼ってみたくなった。
我ながら、単純なんだけどね。

3月は、布団に入らずに何とか二けたを!
posted by くりきんとん99 at 20:16| Comment(0) | TrackBack(0) | まとめ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年02月29日

『通い猫アルフィーの奇跡』 レイチェル・ウェルズ

通い猫アルフィーの奇跡 (ハーパーBOOKS) -
通い猫アルフィーの奇跡 (ハーパーBOOKS) -
〜28日。

飼い主の老婦人を亡くし、ひとりぼっちになった猫アルフィー。
帰る場所もなく空腹でさまよい続けたすえ、
とある住宅地にたどり着いたアルフィーは、
そこで“通い猫”として生きようと決める。

だが訪ねた先の住民は揃いも揃って問題だらけ。
世をすねた無職の男に育児疲れの主婦、
デートDV被害者―そんな彼らに、いつしか1匹の小さな猫が奇跡を起こす!?

読メで知ったこの作品。
ちょっと読んでみたいなぁと手にしたけど、
翻訳本のわりにとても読みやすく、
そしてアルフィー目線で書かれているのが面白かった。

アルフィーが苦労して辿り着いた住宅街。
アルフィーは、飼い主が一人だけだと
また何かあったときに大変!と通い猫になることに。
その発想も面白いけど、
アルフィーなりの生きていく知恵、なんだよね。

アルフィーはアルフィーなりに
それぞれの飼い主(?)を思い、
それぞれに尽くす。
その姿が何とも献身的で読んでいてもほほえましい。
ただ、伝わっていないところもあるんだけど、
それがまたほのぼの。

最後にアルフィーがクレアのためにする決断。
それは、大変なものだったけど、
自分自身を危険にさらしてまでクレアを護ろうとする姿に涙。

猫は飼ったことがないけれど、
こんな猫なら一度でいいから飼ってみたいかも?
posted by くりきんとん99 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | その他の小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする