先月から座禅を始めました。さまざまな書籍が出ていますが、僕は以下の本に書かれている方法で取り組んでいます。
タイトルのとおり、CDが付属しており、このCDに収録されている「音」がキモです。
不意に訪れる圧倒的な静寂に驚かされる
ブザーとおりん(お鈴;鉢状の仏具)の音が収録されており、この音が断続的に鳴るのを聴きながら取り組みます(CDのままでは扱いづらいので、リッピングしてiPhoneに移し、ノイズキャンセリングヘッドホンで聴いています)。
ブザー・おりんともにかなりボリュームが大きいです。おりんはまあまあですが、ブザーの音はあまり心地よい音色ではありません。むしろ、不快といってもいいくらいです。
クイズ番組で不正解時に鳴る「ブブーッ」という音がありますが、あれを長く延ばしたイメージです。
しばらく「ブーーーーーーーーーーーーーーーーーー」という音が鳴り続けます。
瞑想中はこの「音」に集中するのですが、この「音」は突然途切れます。
“騒音”が一瞬にしてなくなるので、直後に静寂が訪れます。この落差により「無」の状態に遷移しやすくなる、というのが本書の基本的な考え方です。
僕自身はまだ「無」の境地には到達できていないのですが、ブザー音直後の静寂はきわめて非日常な感覚で、新鮮さを覚えています。
1回あたり10分~20分なのですが(本書に詳しい手順があります)、終わると、心なしかもやもやが晴れるような感覚があります。
音 → 無音 → 音 → 無音
メニューは全部で4種類。10分か20分のいずれか+ブザーのみかブザー+おりんのミックスかの組み合わせです(僕は「ブザーのみ」では飽きるので、「ブザー&おりん」のミックス、時間は10分で続けています)。
- ブザー&おりん20分
- ブザーのみ20分
- ブザー&おりん10分
- ブザーのみ10分
いずれもブザーまたはおりんの音の後、鳴っていた時間よりも長めの無音状態が続きます。
- 音 → 無音 → 音 → 無音
という繰り返しで10分間あるいは20分間という構成。
このあたりの原理や考え方の詳細は本書に譲るとして、僕は次のように解釈しています。
- 無音状態だけでは次々と湧いてくる雑念に囚われやすい
- 音(割とけたたましい)があることで、雑念を吹き飛ばす効果が感じられる
- 音が大きいだけにその後にやってくる無音状態が引き立ち、頭の中がカラになる感覚が味わえる
特に、無音状態に入ったときの、突然訪れる圧倒的な静けさは独特で、快感すら覚えます。
21日間続けてみて分かってきたこと
以下、この21日間の座禅実践メモの一部です(毎回、座禅をおえるたびに、たすくまで入力しているメモです)。
エアコンの音とか戸外のトラックの音とか、意外と雑音が多いことに気づく。これらの音を無視するためにエネルギーを使っている気がする。
全くもって無我無念の境地には到れず、その麓をウロウロしているだけのあり様に思える。次から次へと気になることや邪念が去来し、注意を促してくる。カラにしようとすればするほど心が濁っていく。それでも目を閉じて10分間を終えると心なしか幕のように心身にまとわりついていた疲労感がなくなり、肩も軽くなったような気がする。
雑念が次々と去来するも、終盤は●●のあの静謐な空間に到達する。座禅は時空を超えた旅なのかも。
※●●は地名で、新入社員時代に1年弱だけ住んでいた会社の寮を指しています。社会人1年目で、当時は修行僧のような日々を過ごしていたので、自分にとって原風景の1つになっているようです。
ソファに背中を預けて、目をつむり、寝ることなくひたすら考えを解放する。初めはやはり雑念が現れるが、ブザーの音が途切れると同時に霧消し、今日やろうとしている仕事のことや書く予定の原稿内容などが流れ込んでくる。
いつものごとく雑念群をひとしきり一巡したのち、「そもそも自分は何がしたかったんだっけ?」という問いが降りてくる。
目の前に差し迫ったことがあると、その先のことはなかなか考えられない。座禅では「その先のこと」を考えるための時間でなければならない、というわけでは必ずしもないのではないか?
ブザーやおりんの音が鳴るたびに時空が切り替わり、その時の自分の記憶が蘇る。芋づる式に関連する事象がハイパーリンクのように引き出されてきて、それが次のシーンへのトリガーとなって連綿と続く。突然ブザーやおりんの音に介入されて、また別の時空にジャンプする。そんな風にして10分という時間はすぐに満たされる。終わりをつける耳心地の良いチャイムの音を合図に座禅状態から現実に戻る。心がほのかに満たされている。
直近の気になることの“陳情”がひとしきり続いた後、小学生の記憶に降り立つ。小学生最初の授業は国語だったが、のっけから教科書を忘れて、隣のHちゃんに見せてもらったこと、図工が得意で何人かの先生がいた中でとりわけある先生は自分の作品をひどく褒めてくれて有頂天になっていたこと、6年になってからは毎日のように遅刻して悠々と登校していたこと、などなど。マイペースだったのだ。
雑念に囚われまくり。それでも、目下の課題についての掘り下げと、これまでの自分の歩みの振り返りとを重ねることで、突破口は見えてきた。1993年のPCを使い始めてすぐからTaskChuteの原型のような実績記録をDBProを使って続けていたことを思い出す。
初めて電車の中で取り組む。さすがに騒音が激しいものの、なんとかくらいついていける感じ。今回は差し迫った課題についてのポジティブな結果をイメージすることに勤しむ。
何度目かのブザーで、不意に身体全体が音と同期した感覚があった。もしかしてこれが無為か? 考えることが煩わしく感じられ、不意に木立が途切れて空が開け、小池みたいな風景が目に入る。その直後、少しだけピュアに考えることができた感じ。
普段身につけている鎧を脱ぎ捨てて、裸の状態になる感覚。無重力状態、SoweluのGet Overの落下シーンのイメージ。
今の自分は過去の自分のどこかを拡大したもの。未来の自分は今の自分のどこを拡大するか。
いずれも個人的なメモなので、わけがわからない部分もあるとは思いますが、いずれも座禅の直後に残したメモなので、こういう感覚になるということが伝わればいいな、と思ってほぼそのまま転載しました。
まだまとまってはいませんが、いつもと違う“場所”に到達できている感覚があります。もちろん、物理的な移動ではなく考えの及ぶ先、という意味合いです。
興味をもった方はぜひ試してみてください。僕も引き続き取り組んでいきます。
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3月22日(火) 渋谷でランチご一緒しませんか?
おいしいランチとともに時間管理のエッセンスが学べます。
時間は1時間。
費用は500円+ランチ代だけ。
仕事術や時間術に縁がなかった方。
興味はあったけど忙しくて時間がとれなかった方。
難しそう・息苦しそうと敬遠していた方。
そんな方々のご参加をお待ちしております。
本日時点で、残り8席ですので、ご検討中の方はお早めに。
» タスクシュート・ランチ@渋谷
4月9日(土) 記録をもとにリピートタスクを最適化する
『なぜ、仕事が予定どおりに終わらないのか?』(佐々木正悟・著)の内容をベースに、タスクシュート時間術、すなわち仕事を予定どおりに終わらせるための時間管理の考え方とツールを駆使した具体的な方法をお伝えします。
今回のテーマは、
-記録をもとにリピートタスクを最適化する
です。
タスクシュート(TaskChute・たすくまの総称)の根幹を成す要素の1つであるリピートタスクについて掘り下げます。
リピートタスク、すなわち繰り返し行うタスクは、繰り返し行うがゆえに一週間、一ヶ月といったスパンで見たときに相対的に大きな時間を占有することになります。
言い換えれば、リピートタスクにかける時間を最適化することで、それ以外の活動に使える時間を増やすことができるのです。
やりたいことや好きなことに思う存分時間を使うためには、それらに心おきなく没頭しても支障が出ないような「備え」が欠かせません。その「備え」を淡々と積み上げるうえで主役となるのがリピートタスクです。
リピートタスクが充実するほどに、時間活用の精度がアップします。野球でいえばバッドの芯でボールをとらえられるようになるイメージです。
- 一日のスケジュール調整に時間がかかって困っている方
- 増えすぎたリピートタスクを見直したいとお考えの方
- 限られた時間をもっと有意義に活用したいとお考えの方
好評いただいている個別相談の時間もご用意していますので、知識としては理解できているとは思うものの、なかなか実践に結びつけられず苦戦している、という方は、ぜひこの機会にブースターとしてご活用ください。
本日時点で、残り7席ですので、ご検討中の方はお早めに。
» 仕事を予定どおりに終わらせたい人のための「タスクカフェ」@渋谷
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