橋本環奈版の「セーラー服と機関銃」
— アフリカマン (@FateJun) 2016年3月12日
先週比で21.5%ってマジかよ……映画公開2週目でこれって大爆死じゃん pic.twitter.com/lTbl1lziIw
今日は橋本環奈主演「セーラー服と機関銃」を観てきたんだけど、元祖・薬師丸版が「何も知らない新人女優・薬師丸ひろ子の戸惑いをヤクザの組長になった女子高生と重ねる」ことで成功していたのに対し、橋本環奈さんがあまりにも優秀でなんでも出来てしまうので「極道の妻たち」みたいな映画になってた
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
とにかく感想としては「橋本環奈の超人性」だけが強烈に残る内容で、安藤政信、鶴見辰吾、伊武雅刀、武田鉄矢というヤクザ役の面々を相手に映画初主演のアイドルがヤクザ同士の凄みあい、かけあいでギリギリ押し込むのがすごかった。薬師丸版とは何もかも別物というか、あえて正反対の方向にした感じ。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
「どんなに賢そうな台詞を用意しても、しゃべらせるとバカなのがばれてしまう」という俳優っていると思うんだけど、橋本環奈の場合はその逆で、脚本として等身大の女子高生の台詞が用意されていても、声を出すと「こいつは頭が切れる、普通の人間ではない」ということが一発で観客にわかってしまう。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
そして面白いことに、ヤクザ映画の中で「頭が切れる、優秀である」ということは「こいつは強い」というイメージに繋がるんだよね。なので「女子高生がヤクザの組長に」というのは薬師丸版ではミスマッチな可愛さを引き立てる効果があったんだけど、橋本環奈版では「なるべくして四代目になった」感満載
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
たぶん監督も早い段階でその橋本環奈の特性に気がついて、「こりゃ薬師丸版とか長澤版みたいにやってもダメだ」ってことで、完全にイケイケの武闘派現役女子高生ヤクザという星泉に設定を変えたんだと思う。「レオン」のナタリーポートマンよりは「キック・アス」のクロエ・グレース・モレッツに近い。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
この映画で橋本環奈演じる星泉は特に腕力が強い訳でもない普通の女子高生なんだけど、出演俳優の誰よりも危険な暴力の匂いを発している。「ヤクザとは何か」「なぜヤクザは怖いのか」という本質に迫る「アイドル映画版アウトレイジ」みたいな映画になってます。そんな事をファンが望んだかはともかく。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
映画で橋本環奈がどういう演技をしてるかという例を1つ挙げると「愛する人に銃を向ける」というシーン、普通アイドルの演技は「目をつぶってうわぁ~!と叫ぶ」なわけですよ。橋本さん『目をカッと見開いてヒューッ!ヒューッ!と速い呼吸を整える』っていう演技をしてます。どこで覚えたんだよそれ。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
「橋本環奈さん、それ本当にヤクザが人を撃つ時に腹をくくる時の演技ですやん」っていうね。橋本環奈の演技が頭いいのは「オラァ」とか「なんじゃワレェ」とかは一切言わない。「法律に守られた女子高生がどういう態度を取るとヤクザが困るか」をよく知ってる演技をしてる。なぜ知ってるのかは謎です。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
いちおう「セーラー服と機関銃」の定番である年上のヤクザとの淡い恋もあるんですけど、冗談でもなんでもなく『姐さんと若頭』的文脈で長谷川博己が年下に見えてくる。同級生の男子と制服姿で談笑するシーンが、声だけ聞くと「女教師と男子生徒」に思える。それくらい橋本環奈の年齢ジェンダーが高い。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
言っておきますが僕は橋本環奈さんが身体を張って一生懸命演じた映画を論じる時には「なんで都市近代化批判とか地域社会回帰みたいな謎のメッセージ盛り込んでるの?」みたいな映画の欠点には一切目をつぶる人間なので、そこは皆さんも目をつぶって見て欲しいと思います。特にラストのお祭りのあたり。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月12日
この映画の動員不振は角川広報部が「暴力団員の死体(味方)を山中にスコップで穴を掘って埋める橋本環奈ちゃんが見られるのは『セーラー服と機関銃』だけ!」といった宣伝戦略を取らなかったことに原因があるので猛省してほしい。取ったら橋本環奈ちゃんのCM契約に影響が出る可能性がありますけど。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月13日
橋本環奈の演技どうだった?というツイートがあって、僕が見た限りでは特に「怒り」の演技が上手い。顔を歪めて怒るんじゃなくて、スッと無表情になった顔にバリバリっと怒気が走るっていう、そういう演技ができる。たぶん人生の中でそういう風に怒った経験が何度もあるんだろうと思う。知らないけど。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月13日
逆にこの映画の中で橋本環奈が「恐怖」の演技をするところはほとんどなくて、これも元祖版と正反対。薬師丸ひろ子のデビューは「野生の証明」の怯える演技で、『セーラー服』の中でも終始周囲に怯える。でも今回の星泉は一度も恐怖の表情を見せない。殺されかける時も苦痛だけがあって恐怖が存在しない
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月13日
唯一演じるのが苦手に感じたのが、同級生の男子高校生たちとじゃれ歩いて下校するシーンで、橋本環奈だけ歩き方も視線の動かし方も明らかに違って、子供の中に小さな大人がいるように見える。それはたぶん「普通の子供」だった経験が少ないからで、別に橋本環奈が悪いわけではなく大人が悪いんだけど。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月13日
「お前、橋本環奈ちゃんの映画に客を呼ぶために話を盛ってんじゃねえだろうな」と疑う人もいるでしょうが、僕は面白い映画をつまらなく語るなんていうアカデミックな行為は蓮實重彦にアウトソーシングしてる人間なんですよ。というか普通に見て面白いし、いくら何でももうちょっと客入っていいと思う。
— cdb (@C4Dbeginner) 2016年3月13日
なにこの感想 めっちゃ見たくなるやんw
— DJあかい (@aka1you) 2016年3月13日
#前田弘二「セーラー服と機関銃ー卒業ー」は、キネマ旬報のベストとかで上位に食い込むのではないかな?と思った。振り返ると今年を代表する一本になっているかもなぁ。橋本環奈さん良いですよ。あと安藤政信さんと宇野祥平さんと奥野瑛太さんが素敵!https://t.co/BrrXqGA7Ib
— Wanda (@Patrick_Orouet) 2016年3月6日
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福岡のアイドルだからやろうなぁ