韓国カジノ業界の危機、中国依存から脱却を

韓国カジノ業界の危機、中国依存から脱却を

 「金の卵」を産む産業とされてきたカジノ業界が揺らいでいる。中国人VIP客が減少する状況で、仁川市永宗島で「インスパイアIR」が複合リゾート開発事業者に選ばれるなど、カジノ複合リゾートが雨後のタケノコのようにできているからだ。中国需要に依存してきたカジノ業界は、中国人客減少で存亡の危機に直面したと言われている。

■マカオも韓国も減収

 世界最大のカジノ都市、マカオは昨年のカジノ収入が前年比で34%減少した。その結果、マカオの昨年の域内総生産(GDP)はマイナス20.3%減少した。

 韓国とて事情は同じだ。昨年1-9月の韓国の外国人専用カジノによる売上高は9205億5600万ウォン(約852億円)で、前年同期を約10%下回った。入場客は8.6%減少した。韓国のカジノ業界最大手パラダイスの株価は8日現在で年初来14%下落した。

 深刻なのは韓国の外国人専用カジノの最大顧客が全体の57%(2014年現在)を占める中国人だということだ。特に中国人VIP客の減少が業界を直撃している。慶熙大複合リゾート・ゲーミング研究センターのソ・ウォンソクセンター長は「中国のVIP観光客の訪問が増えない限り、韓国のカジノ業界が復活する可能性は当面見えない」と述べた。

■東アジアで複合リゾート建設ラッシュ

 さらに脅威なのは、シンガポール、フィリピン、マレーシアなどにカジノが増設または新設され、東アジアでカジノ競争が激化している点だ。昨年2月にフィリピンの首都マニラにカジノリゾート「シティー・オブ・ドリームズ・マニラ」が開業したほか、ロシアのウラジオストクにも昨年、初のカジノが開業した。来年にはマカオに大型カジノ4カ所が相次いで登場する。

 韓国でも今後4-5年でカジノ複合リゾート3カ所が永宗島に進出する予定だ。パラダイスと日本のセガサミーが開発する「パラダイス・シティー」が来年上半期に開業予定のほか、「リッポー・アンド・シーザーズ」が2018年、「インスパイア」が2020年上半期にそれぞれ開業を見込む。

金城敏(キム・ソンミン)記者
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