世界の空狙う黄金の鷲 軍用機で飛翔図る韓国航空産業 米軍・空自の導入可能性

空自が韓国機を採用する可能性も?

「1000機生産する」というKAI(韓国航空宇宙工業)の目標が達成できるか否かは、アメリカ空軍のT-X次第となるでしょう。また“アメリカ空軍に採用された”という実績ができれば、特にF-35の導入を予定している国々への販売も加速されるかもしれません。

 その候補である国のひとつは、ほかでもない日本です。航空自衛隊の川崎重工T-4ジェット練習機は初飛行からすでに30年が経過しており、そう遠くないうちに後継機の選定が行われるのではないかとみられます。日本の航空産業界は間違いなく「国産したい」と願うはずですが、T-50が採用される可能性もゼロではないでしょう。

T-4ジェット練習機を使用する空自のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」(関 賢太郎撮影)。

 日韓関係には、慰安婦問題など外交上の懸念も存在しています。現状で韓国機の導入はあまり考えられませんが、安全保障の観点からすると、日韓は中国や北朝鮮という脅威を抱える点などにおいて非常に距離が近く、T-50ではなくとも将来、次世代戦闘機など航空機の共同開発で協力しあう日がやってくるかもしれません。

【了】

Writer: 関 賢太郎(航空軍事評論家)

1981年生まれ。航空軍事記者、写真家。航空専門誌などにて活躍中であると同時に世界の航空事情を取材し、自身のウェブサイト「MASDF」(http://www.masdf.com/)でその成果を発表している。著書に『JASDF F-2』など10冊以上。

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コメント

2件のコメント

  1. ひどい記事。著者が不勉強すぎる。
    空自が導入する可能性はゼロ。韓国製という理由だけではない。
    現在、空自では超音速練習機を使用せず、複座戦闘機を使用する。事実、現用のT-4は亜音速機。
    したがって、空自がT-50などの超音速練習機を導入する理由が存在しない。
    米国がT-50を候補にしているのは、超音速練習機の需要が少なく、機種が限られているため。
    さらに、T-50はLM(ロッキード・マーチン)が技術支援をしているのだから、LMが米空軍向け専用機を開発する可能性まである。導入予想機数を考えると十分にペイする。
    「航空軍事評論家」なら、そのくらい知っていて当然のはずだが。

  2. ちょっと気になったので・・

    >慰安婦問題など外交上の懸念も存在しています

    この問題は昨年末に日韓両国の間で、「最終的かつ不可逆的」に解決しています。
    メディアでこのような発言をされるのは如何なものかと。