Oさんの説が非常に画期的だったので、紹介させてください。
で、Oさんが「遊び相手を見つけるツール」と取り出したのが、 最近話題のTinderだったわけです。
Tinderっていうのは、 Facebook経由の出会いアプリみたいなもので。 一昔前の怪しい「出会い系サイト」 みたいな感じのものじゃなくて、もっとフランクに使える、 若者中心のアプリです。周りの人もけっこう使っているみたいで、 かくいう私も、Tinderではないですが、 似たアプリならちょいちょい使ってます。
使い方は簡単。アプリを開くと、「この人はどうですか?」 みたいな顔写真が出てくるので、写真を見て、「あり」か「なし」 かを選んでいくのです。で、お互い「あり」にした同士が、 マッチングされて、見事出会えるシステムだそうで……。
で、そういうアプリなんですが、問題点がひとつあって。「Facebookで友達じゃないけど知ってる人じゃん」「共通の友人20人か……」みたいな人が、 けっこう出てきちゃうんですよ。当然、そういう人とは、 こういう場では出会いたくないわけで。
そういうわけで、効率よく出会うためには、 相手のプロフィールが分かった段階で、いかに「微妙そうな人」 と「知り合いの可能性がある人」を「切る」 かが重要になってくるわけです。で、 ここからOさんの説になります。
「大学名で、どうやって絞っていくか。
まず、「東大」って書いている人はアウト。「 知り合いの知り合い」だったりする可能性が高いから、 当然だよね。恋人としてつきあうとかなら、 おんなじ大学の人が気楽でいいけど、 遊ぶ相手としてはいろんな意味で不便さしか感じない……。
続いて、「早稲田」 「慶応」もダメ。東大に続いて、 単純に知り合い率が高いというのもあるけど、 なんかチャラそうだし、ウェイそうだし、無理。
それから、マンモス大だと、「日大」 「明治」 「法政」とか。
さらに、適当に挙げれば、「青学」 「専修」 「立教」 「成蹊」とか?
うーーーーーーーーん…………………………。」
わかりますよ、いや、わかりますよ。
「バカな男はいやだ、 でもチャラそうなのは論外、真面目で誠実で純朴そうで、 でもオタクっぽくなくて、さわやかなのがいい!!!!」 んですよね!?
でも、もうそうなってくると、かなり絞られてくるのが現実で。
一橋?
東工大?
首都大?
医科歯科?
「……うーん、なんか違う……」
そしてこのへんで、 Oさんが突然天啓を得たかのような神々しき顔つきになり、 突然真理の扉が開かれるのです。
「横浜国立大学ですよ」
「えっ」
静寂。
からの衝撃っ。 飛龍昇天波で軽く壁まで吹っ飛んじゃうレベルの衝撃!!!!
た、確かに…… 確かに程よく勉強ができ真面目で堅実なイメージででも硬すぎもせ ず教師養成所として知られるという絶妙なバランスだァーーーーー ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!
そしてなにより……!
横浜という微妙に遠いけど出会えなくもない立地!
「 知り合いの知り合いだった」 という事故も防げるうえに知り合い遭遇リスクも減らしつつ適度に 離れていることによってわざわざ会いに来てデートしました感がッ !!!!!!!演出できるッ!!!!!
……。
……。
私の心に大きな禍根を残して、Oさんは悠々と帰っていきました。
おわり。