「韓国は経済的苦境に立たされており、朴氏のサミット招待は同国の経済的利益となる可能性がある。同時に、主要国首脳や海外メディアの前で日韓合意を説明して、その履行を朴氏に念押しすることもできる。サミットにはオバマ米大統領も参加するので、核・ミサイル開発で暴走する北朝鮮を見据えて、日米韓の安全保障面での協力も演出できる」
だが、朴氏には心配事があるようだ。藤井氏は続ける。
「韓国では最近、『反日勢力』『反朴勢力』の抗議運動が激しさを増している。朴氏がサミット招待を受ければ『日本の軍門に下った』『裏切り者』などと、攻撃材料にされかねない。裏目、逆効果になる可能性もある。日韓両政府は現在、反応を見極めているのではないか。一部報道後も沈黙しているのは、そのためだろう」
朴氏は2013年2月の大統領就任以来、一度も訪日していない。サミット招待は、プラスなのか、マイナスなのか。