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被災地の復興 高齢者の暮らし支援が課題3月13日 20時12分
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東日本大震災の被災地の復興について話し合うシンポジウムが仙台市の東北大学で開かれ、高齢者への支援などが課題として指摘されました。
シンポジウムにはおよそ80人が集まり、大学教授など10人余りが被災地の復興についての調査結果を報告しました。このうち宮城学院女子大学の土屋純教授は高齢化や人口減少が進んだ上、災害公営住宅が郊外に建てられているため、駅前の商店街の衰退が震災前より加速しているケースがあると説明しました。
そして土屋教授は、今後、高台への移転が進むと高齢者などが移転先で「買い物弱者」となると指摘し、移動販売の充実といった暮らしの面での支援が必要だと訴えました。
また宮城大学の森田明准教授は農地が被害を受けた地域では、高齢者の離農が進む一方で、若手が農地を集約して大規模化や法人化に取り組むケースが増えていることを挙げ、「少ない人数で付加価値の高い農産物を生産することが課題だ」と指摘しました。
シンポジウムを開いた東北大学大学院の増田聡教授は、「高齢化や人口減少が被災地以外よりも顕著な問題になっている。課題を踏まえ新たな制度や支援を構築したい」と話していました。
そして土屋教授は、今後、高台への移転が進むと高齢者などが移転先で「買い物弱者」となると指摘し、移動販売の充実といった暮らしの面での支援が必要だと訴えました。
また宮城大学の森田明准教授は農地が被害を受けた地域では、高齢者の離農が進む一方で、若手が農地を集約して大規模化や法人化に取り組むケースが増えていることを挙げ、「少ない人数で付加価値の高い農産物を生産することが課題だ」と指摘しました。
シンポジウムを開いた東北大学大学院の増田聡教授は、「高齢化や人口減少が被災地以外よりも顕著な問題になっている。課題を踏まえ新たな制度や支援を構築したい」と話していました。
農林水産業 「景気がよい」増える傾向に
13日のシンポジウムでは、東北大学の研究チームが被災地の企業などを対象に毎年行っているアンケート調査の結果が発表され、建設業では「景気がよい」と感じている事業者の割合が減っているものの、農林水産業などでは増える傾向にあることが紹介されました。
東北大学の研究チームは岩手、宮城、福島の3県と青森県八戸市に本社がある事業者を対象に震災発生の翌年から毎年、経営状況などに関するアンケート調査を行っています。今年度の調査は去年10月から11月にかけておよそ1万社を対象に行われ、4000社余りが回答しました。この中で、景気の状況、業況感を、どう感じるか尋ねたところ、「非常によい」、または「よい」と答えた事業者が合わせて22%、「悪い」、または「非常に悪い」が合わせて33%「ふつう」が46%で、前の年の調査に比べてほぼ横ばいでした。
業種別に見てみると、「建設業」では、「非常によい」または「よい」と答えた割合が31%で、これまでの調査と同様、ほかの業種に比べて多くなりましたが、前の年の調査より4ポイント、ピークだった前々回、3年前の調査より10ポイントほどそれぞれ低下しました。
一方、「農林漁業」は、「非常によい」または「よい」という回答が26%と、前の年より7ポイント増え、最も低かった3年前の調査の9%から年を追って回復しています。
このほか「通信・運輸業」も「非常によい」または「よい」が25%で、前の年より6ポイント増えました。
調査を行った東北大学大学院経済学研究科の西山慎一准教授は「今年度で集中復興期間が終わり、被災地の経済をけん引していた建設業を取り巻く環境は厳しくなる可能性がある。一方で農林水産業などには回復の兆しが見られ、今後、サービス業など、ほかの業種への波及効果が期待される」と話しています。
東北大学の研究チームは岩手、宮城、福島の3県と青森県八戸市に本社がある事業者を対象に震災発生の翌年から毎年、経営状況などに関するアンケート調査を行っています。今年度の調査は去年10月から11月にかけておよそ1万社を対象に行われ、4000社余りが回答しました。この中で、景気の状況、業況感を、どう感じるか尋ねたところ、「非常によい」、または「よい」と答えた事業者が合わせて22%、「悪い」、または「非常に悪い」が合わせて33%「ふつう」が46%で、前の年の調査に比べてほぼ横ばいでした。
業種別に見てみると、「建設業」では、「非常によい」または「よい」と答えた割合が31%で、これまでの調査と同様、ほかの業種に比べて多くなりましたが、前の年の調査より4ポイント、ピークだった前々回、3年前の調査より10ポイントほどそれぞれ低下しました。
一方、「農林漁業」は、「非常によい」または「よい」という回答が26%と、前の年より7ポイント増え、最も低かった3年前の調査の9%から年を追って回復しています。
このほか「通信・運輸業」も「非常によい」または「よい」が25%で、前の年より6ポイント増えました。
調査を行った東北大学大学院経済学研究科の西山慎一准教授は「今年度で集中復興期間が終わり、被災地の経済をけん引していた建設業を取り巻く環境は厳しくなる可能性がある。一方で農林水産業などには回復の兆しが見られ、今後、サービス業など、ほかの業種への波及効果が期待される」と話しています。