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北朝鮮 日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射
3月10日 10時07分

北朝鮮 日本海に向け短距離弾道ミサイル2発を発射
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北朝鮮が10日午前、日本海に向けてスカッドミサイルとみられる短距離弾道ミサイル2発を発射したことについて、韓国軍は、今月7日からアメリカ軍と行っている合同軍事演習に北朝鮮が反発したものとみて、警戒を強めています。
韓国国防省によりますと、北朝鮮は、10日午前5時20分ごろ、朝鮮半島西側のファンヘ(黄海)北道から北朝鮮の上空を通過して東側ウォンサン(元山)の北東方向の日本海に向けてスカッドミサイルとみられる短距離弾道ミサイル2発を発射したということです。
いずれのミサイルも500キロほど飛んで、日本海に着弾したということです。韓国国防省のムン・サンギュン(文尚均)報道官は、10日の記者会見で、「韓国軍は、綿密に追跡と監視を行っており北朝鮮の挑発に対する万全の態勢をとり続けている」と述べ、北朝鮮の挑発に対して警戒を強めていると説明しました。
韓国国防省は、北朝鮮は去年も米韓の合同軍事演習の期間中にミサイルを発射しており、今回も演習に対する威嚇との見方を示しました。
演習について北朝鮮は、韓国大統領府やアメリカ本土などへの先制攻撃も辞さないとする、軍最高司令部の「重大声明」を出したほか、9日、国営メディアを通じて核弾頭の小型化に成功したと主張して米韓両国を強くけん制するなど、合同軍事演習を中止するよう繰り返し求めています。
防衛省によりますと、弾道ミサイルは、午前5時22分ごろと午前5時27分ごろに北朝鮮西岸のナンポ(南浦)の付近から東北東に向けて発射されたとみられるということです。発射されたミサイルは、およそ500キロ飛んで日本海上に落下したと推定されるということです。

「スカッド」 発射の兆候つかむのが難しい

短距離弾道ミサイルの「スカッド」は、1950年代に旧ソビエトが開発し、その後、北朝鮮に輸出されました。北朝鮮は、スカッドの配備や改良を続け、射程はおよそ300キロから1000キロに達するとみられています。
また、スカッドは、車両で運んで発射する移動式の弾道ミサイルで、防衛省は発射の兆候を事前につかむのが難しいとしています。
北朝鮮は、おととし、5回にわたってスカッドとみられる弾道ミサイルを発射したほか、去年3月には米韓合同軍事演習の初日に北朝鮮西部のナンポ(南浦)から日本海に向けてスカッドとみられる弾道ミサイル2発を発射しています。

外相「強く非難する」 北朝鮮に抗議

岸田外務大臣は、参議院外交防衛委員会で、「一連の国連安全保障理事会の決議に違反するものだ。北朝鮮による挑発行為がエスカレートすることは、わが国や地域の安全を脅かし、強く非難する」と述べました。
そのうえで岸田大臣は、北朝鮮に対し、午前8時すぎに、中国・北京の大使館ルートを通じて抗議したことを明らかにしたうえで「引き続き、安保理の場を含め、アメリカや韓国をはじめとする関係国と緊密に連携し、関連情報の収集など、しかるべき対応に努めていきたい」と述べました。

中谷防衛相「さらなる挑発の可能性も」

中谷防衛大臣は、10日午前、防衛省で記者団に対し、「引き続き、アメリカや韓国と緊密に連携しながら、必要な情報の収集や分析、警戒監視に努めていく。北朝鮮が、国連安保理決議や米韓の演習などに反発して、さらなる挑発行動に出る可能性は否定できないので、対応に万全を尽くしていく」と述べました。
また、中谷大臣は、今回発射されたミサイルは、「スカッドミサイル」の可能性があるとしたうえで、「今回の発射が、わが国の領域や周辺海域に到達しうる弾道ミサイルの能力の増強につながるものであれば、わが国の安全保障上、強く懸念すべきものだ」と述べました。

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