ロシアがイルカの軍事利用を再開か 米軍はアシカも研究・訓練 利用される動物たち
NewSphere / 2016年3月13日 10時45分
ビジネス・インサイダーが昨年3月12日付で掲載した記事によると、海軍海洋哺乳類プログラムは1960年、ノッティと名付けられたメスのカマイルカの研究から始まった。研究の目的は、イルカの生体力学を解明して魚雷の設計に役立てることだったのだが、研究していくうちにイルカそのものが戦力になることに気づいたという。同記事によると、海洋哺乳類は知能が高く、調教できる上に、水中での移動速度や反響定位能力はいかなる人工的機械を凌ぐため、軍事資産として非常に魅力だという。
サンディエゴ・ユニオン・トリビューン紙が2012年11月24日に報じた話によると、SPAWARは、軍用イルカの作業をすべて水中無人機に引き継がせ、将来的にはイルカの軍事利用をやめる計画をしていた。しかし結局、アシカやイルカの能力を上回る無人機がないため、軍事利用を続けることにしたという。この記事の時点でSPAWARにはイルカが24頭いたが、前述のビジネス・インサイダーの記事ではSPAWARが訓練しているイルカは85頭、アシカは50頭となっており、規模は拡大したようだ。
◆米海軍は「人殺しイルカ」の存在を否定
イルカの軍事利用というと、イルカが戦闘に参加して人を襲っているようなイメージを抱くかもしれない。SPAWARのウェブサイトによると、1973年の映画『イルカの日』などの影響もあり、米海軍が人を攻撃するようイルカを調教しているという誤解が根強くあるらしい。また元ネイビーシールズ(米海軍の特殊部隊)のブランドン・ウェブ氏は、ネイビーシールズ時代の回想録であるベストセラー本『The Red Circle』の中で、イルカが人を襲う方法を事細かに記述しており、こうしたことも誤解の一因になっているようだ。
しかしSPAWARは、人を襲うようにイルカを訓練したり、船舶を攻撃する武器をイルカに取りつけたりしたことはこれまで一度もないとして、人殺しイルカの存在を強く否定している。イルカには敵や味方の区別をつける能力がないというのが、イルカをそのように訓練していない理由だという。
◆軍事利用される動物たち
ところでイルカの他にも、世界ではさまざまな動物が軍事利用されてきた。ヒストリーチャンネルの公式ウェブサイトによると、例えば中国では南宋の時代(1127~1279年)初期に、猿に火をつけて敵の陣地に放して火事にするという戦術が使われていた。また、冷戦時代にアメリカの中央情報局(CIA)が「Operation Kitty」(子猫作戦)として、盗聴器を埋め込んだ猫を使ってソ連軍の盗聴を試みようとしたことがあった。しかし最初の作戦で猫が車にひかれてしまい、作戦は中止になったという。
軍事利用ではないが、最近ではドローン対策として、オランダの警察当局がワシを訓練している。テロや犯罪に使用されている疑いのあるドローンを、ワシを使って確保するのだ。ロイター(2月2日付)によると、オランダの警察当局は「ハイテクな問題へのローテクな解決法」と説明しているという。
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