慰安婦記念館の予定地で除幕式 馬英九総統も出席
【台北・鈴木玲子】台湾初となる慰安婦記念館開設を進める女性人権団体「婦女救援社会福利事業基金会」は8日、台北市内にある施設予定地で看板除幕式を開いた。馬英九総統や元慰安婦の女性、陳蓮花さん(91)も出席した。名称は「おばあちゃんの家−−平和と女性人権館」で、今年9月の開館を予定している。
馬総統はあいさつで、国民党政権が1947年に台湾住民らを殺害した「2・28事件」で、台湾当局が沖縄県の男性への賠償支払いを決めたことに言及。「台湾の慰安婦は当時、日本国民だ。日本人はなぜ自国民に善意を見せないのか」と批判した。台湾の裁判所は先月、父親が犠牲になった沖縄県の男性への損害賠償支払いを命じた。
台湾の元慰安婦は少なくとも58人で、生存者は陳さんを含めて3人という。
記念館は、古い街並みが残る「迪化街(てきかがい)」に残る旧商店を改築。慰安婦に関する資料を展示し、性暴力被害に関する人権教育の場にも活用する。改築費を含めた初年度の費用は約1200万台湾ドル(約4150万円)。政府からの援助はなく、民間から募金で賄う。