シャネルの化粧品は、経費に入れても良いのだろうか?
ワタクシは、今、確定申告書を作りながら、かつてトルストイが悩んだであろう疑問にぶち当たっている。
毎年、今の時期になると、フリーランスの皆さんは、確定申告というウルトラ面倒な作業が待っている。大した収入のないワタクシでもブログを書いているヒマがない。
申告書を作りながら、パッとしない現状を見ると、思い出すのは世界的文豪トルストイのことだ。
名著「人を動かす」の中には、世界三大悪妻として名高いトルストイ夫人の話がこれでもかというほど出てくる。
世界的文豪の妻として、社会的地位にも、10人以上の子宝にも恵まれた夫人なのであるが、悪妻呼ばわりされて少々かわいそうな気がしてくる。
なぜトルストイ夫人が悪妻なのかというと、彼女は、派手好きで社会的な名声や賞讃を渇望していて、ヒステリー持ちで口うるさい人だったのだとか。
「それウチの嫁と一緒です!」
それはさておき、そもそもトルストイ夫人はそんなに悪いのか?という疑問はある。
旦那のトルストイは、歳を取ると富を憎んで財産や印税を全部寄付してしまい、進んで貧しい暮らしを始めた。毎日、キリストの教えを守って畑を耕して神に感謝する生活、今で言うところのミニマリスト的な人になってしまった。
そんな旦那に、子供を抱えてご飯を食べさせなきゃいけない、トルストイ夫人が怒り出すのもムリはない気もする。
一方で、稼いだ金を派手好き嫁が散財してしまうから、全部寄付しちゃえ!というトルストイにも、一票を入れたい。
ワタクシの稼いだ金も、嫁がシャネルの化粧品に変えてしまうので、このブログに、アフィリエイト広告をベタベタ貼る気などさらさらない。
さらに、突き詰めて考えると、悪妻が偉人を生んだのが、偉人が悪妻を生んだのか?という疑問も湧いてくる。
つまり、ニワトリが先か、タマゴが先か?という話。
ワタクシは嫁の珍行動があるからこそ、こうしてブログを綴るネタに困らないという幸運を手にしている。将来、ワタクシが文豪になれば、嫁はトルストイを超える悪妻として評価される可能性はある。
一方でワタクシが世間一般的な収入を得ていれば、嫁は悪妻にならなかったのでは?とか、そもそも、この命題においては、ワタクシが最初から偉人である必要があるので、それを証明しようがないというジレンマに陥る。
ウィキペディアを読むと、数学的にはグレンジャー因果性を使ってタマゴが先だったと証明できたそうだが、神学的には創世記を根拠としてニワトリが先だと結論付けられるらしい。
どちらにしても答えはないのだが、偉人の嫁でなければ悪妻とも良妻とも名前は残らないので、せめても、ワタクシが凡夫として一生を終えてあげることはできる。
結果として82歳のトルストイは家庭不和に耐えかねて家出し、11日後に辿り着いたとある田舎の駅で死んでしまった。
最期の言葉は、「嫁を近づけてくれるな」だったとか。
D・カーネギー先生は、結局、夫人が口やかましく言うことで何を得たのか?という機知に富んだツッコミをしている。
嫁との戦争に明け暮れ、平和を望んで富を捨て、遺稿として「生ける屍」という戯曲を残したトルストイ。彼が死んだその駅は、今では「レフ・トルストイ駅」として名を残している。
最後に、ワタクシが訴えたかったのは、これでシャネルの化粧品が経費になるという事実のみである。