中国は今回三つの戦線で米国と対立した。中国が最も攻撃的な所は南シナ海だ。レーダー基地を建設してミサイルの配置を終わらせたと報じられた。そこを軍事基地として使用しないとしていた中国の約束は社交辞令と化してしまったのだ。
為替戦争では主に米国系のヘッジファンドが中国の敵だ。ジョージ・ソロスは中国の若者たちの英雄だった。数カ月前まで北京市内や空港の書店には、ソロスの金もうけの秘法に関する書籍が所狭しと並んでいた。ソロスが中国で講演すれば、常に満員状態だった。しかし、中国人民元が暴落するとの談話をソロスが出すと、中国メディアと当局者たちは一斉にソロスつぶしに乗り出した。
もう一つの戦線は、韓国の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の配置問題だ。北朝鮮の核実験で始まったTHAAD問題をめぐり、中国外務省長官は韓国が米国に代わって剣の舞を舞っているような格好だと批判した。そして中国の共産軍機関紙には、1時間以内にTHAAD基地を破壊することができると掲載した。これは明白な軍事的脅迫だ。
中国の三つの戦線の中で韓国の国益と関係がないものは一つもない。THAADによる摩擦は今更言うまでもなく、人民元による摩擦もすでにウォンの為替レートに大きな衝撃を与えている。南シナ海における摩擦も勢力地図の変化に従って韓国の貿易に影響を与えることだろう。
これまで北朝鮮の制裁にためらいを感じていた中国を見ながら、寂しさを通り過ぎて裏切りと感じる人も少なくなかった。専門家たちは「中国がそんな国じゃないと思っていたとしたら、それこそアブノーマル」と言った。どちらにしても、韓国は中国を見直す機会を得た。しかし、そこにとどまっていてはいけない。