トイレは第二の故郷である。
いきなり何を言っているのかと思うかもしれないが、何を言いたいのかというと、自分はいま人生で最大の便秘と戦っている。もう1年半になるだろうか。
なんでそんなことになってしまったのかというと、飲んでいた薬の副作用だ。以前長期間にわたって服用していた薬が便秘を引き起こすものだったのだ。
最初のうちは気が付かなかった。だが、だんだんアバラの下辺りが痛くなってきた。なんで痛いのか全然わからないでいたのだが、よくよく考えてみたら最近全然来ていない。遡って考えてみると3週間くらい何も起きていない。なので、なかから圧迫されてアバラの辺りまで痛くなっていたのだ。
当時の主治医に相談してみると、その薬は飲まなければならないので便秘は下剤でなんとかしようと言われた。そして、自分はピンクの小粒とお友達になった。ちなみに、その便秘を引き起こした薬は今は飲んでいない。別に必須ではなかったのだ。
薬を飲むのをやめても、一向に自力では戦いに勝てなかった。小規模な戦いの予兆がしてトイレに行ってみても、石炭の輸出が規制されてるのかガスプロムだったりして、演習にすらならなかった。だから、時々ピンクの小粒をのんで特別重大発表をするためにトイレに篭るのだ。北川クリステルばりに勇ましい戦闘が繰り広げられるのだが、それは自作自演である。本当なら自然の中で生きたい。
というわけで、なにもしないでいるのもあれなので、ちょっと対策を講じてみることにした。妻が便秘に効くというアイテムをゲットしてきたのだ。それが、「オリゴ糖」である。
買ってきたのは「ビオリゴ」という商品だった。
調べてみるとオリゴ糖は便秘に効くと確かに色々な所で書いてある。とはいえ、民間療法じみているので真偽の程は定かではない。
まあ、駄目なものは駄目だろうし、朝ごはんがずっとフルグラなのもアレなので、ちょっとヨーグルトに混ぜて食べてみることにした。
凄いどうでもいい話だが、 自分はこういうプレーンヨーグルトにちょっとした苦い思い出がある。
大学時代にスーパーでバイトしていたのだが、珍しくその時の店長は「賞味期限切れの食べ物は持って帰っていいぞ」と言ってくれる人だった。当時はとにかく質より量だったので、よろこんでブルガリアヨーグルトを持って帰った。食べたことはなかったけど、一度このブルガリアヨーグルトをガッツリ食べてみたかったのだ。
家に帰って蓋を開けてみると、なにやら砂糖の袋が入っていた。「お?甘い味が好きな人向けの追加の砂糖かな?」とか思って、スプーンにたっぷりヨーグルトをすくってパクリ。
「あれ? 酸っぱい!」
そう、いままでプレーンヨーグルトなど食べたことがなかった自分には、プレーンという単語の意味がわかってなかったのだ。慌てて砂糖を全部入れてかき混ぜて食べるが、どうにも酸っぱい。ちなみに、自分は酸っぱいものが大嫌いである。
仕方ないので家にある砂糖をガッツリ入れて、食べられる味にしてようやく食べきった。別に一日で食べきる必要など無いのだが、その頃の自分は「開けたら食べる」みたいな短絡的な思考だったので、次の日にとっておくなんて発想はなかったのだ。
というわけで、今回もヨーグルトにオリゴ糖を混ぜるにあたって、酸っぱいのではないかと心配でならなかった。一応ビオリゴのパッケージには「小さじ2杯を目安に」と書いてあったので、とりあえず混ぜてみる。おそるおそる一口…
おお、美味しい!
甘さ控えめなのにまったく酸っぱくない。学生時代のプレーンヨーグルトがちょっとしたトラウマになっていただけに、正直うれしい驚きだった。これなら毎日続けられる。
そんなこんなで1週間試してみた。
まだ特別重大報道の予兆はない。
だが、千丈の堤もアリの一穴。
いつかうちのトイレでも、軌道投入に完全成功という事実上の便秘解消が発表できることを祈っている。