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OECDのPISA/TALIS調査で暴露されたように,日本の学校教育でのICT利活用度は加盟国の中でもきわめて低く,その著しい遅滞は「失われた20年」と言われている.2015年には高校生のスマートフォン所有率がほぼ100%に届く状況なのに,いまだ勉学には無用なものとされ,大半の児童生徒は学校で電子メールもSNSも満足に使えない.学校教育がデジタル・デバイドの対岸に取り残された背景には,授業研究と教具的活用への囚われがある.ICTは授業の一技法であるから指導スキル養成が喫緊の課題とされてきたが,機器トラブルリスクや教員側の負担増を嫌って,現場の授業活用は遅々として進まない.こうした状態のブレイクスルーとして期待されるのは,180度視点を転換した学習者中心の文具的活用である.諸外国では日常的やりとりや学習に関わる知的生産のために1人1台の情報端末が普及し,家庭から学校へ機材を持ち込むBYODの事例もある.本講演では,ICT利活用における教具論と文具論を比較しつつ,将来への展望を明らかにする.
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