ママチャリからスポーツバイクに乗り替えた際、まずビビるのが空気入れです。
商売っ気がある店ならまだマシでママチャリの空気入れではダメなことを説明し、高いポンプを売り付けようとしますが、単にやる気の無い店だと最悪です。 お客が気付くくらい、かなり空気が減ってから、いざ空気を入れようとしたら今まで使っていた空気入れでは全く使えずに途方に暮れる、ということになります。 まあそんなことは滅多に無いでしょうが 稀にはあるみたいです。 スポーツバイクのバルブは大概、 この2種類です。 これは、スポーツバイクの場合、高圧で空気をタイヤに入れて使う為、構造的に内部で弁が閉まるこの2方式になっています。 例外的に比較的低圧なMTBでは、特に台湾メーカーや日本の代理店企画の自転車に多いのですが、英式(ママチャリと同じ方式)が完成車に着いていることがあります。 虫ゴムを使う構造からあまりオススメではありませんが。 今回は英式を含めた3種類のバルブのうち、仏式バルブについての話です。 前回の記事で紹介したうちの嫁の車体のものです。 実はバルブキャップは、チューブが販売されている際にバルブの先端が曲ったりしないよう保護する目的で着けられているもので、ホイールにタイヤと装着してからは必要無いものです。 ロードの方で着けていない方もよく見ます。 で、バルブキャップ同様、チューブに普通に着いて来るのが チューブ交換の際、何の疑問も持たずに皆さんこれも一緒に着けていることが殆どだと思いますが、これって不要なものなのです。 ちなみに私のBADBOYと嫁のFXはいずれも外してしまっていますので、前の2枚の画像にはよく見るとリムナットが着いていません。(最初の1枚とこの画像は記事の為に取り付けて撮影したもので、その前の2枚は着け忘れです) また、例えば、米式バルブでは ネジ山が切ってありませんので。 同様に仏式バルブで根元の方にネジ山が切って無いものも存在します。 つまり要らないのです。 米式バルブとはわかりやすく言うと車やオートバイのバルブです。 車やオートバイに乗る方ならご存知かと思いますが、バルブ中央のピン(バルブコアの先端)を押すと空気が漏れ出しますからそれを保護する、という意味があります。 空気を抜く場合は緩んだ先端部を押すとやはり弁が開き抜けます。手を離せば内側からスプリングが弁を押し閉め止まります。 つまり仏式バルブは、米式と構造的には類似したスプリングによる弁式バルブにネジ式のロックが着いている訳です。 米式バルブでキャップが無い状態で上記のピン(バルブコアの先端)を押せば空気が漏れ出しますが、仏式バルブは頭のネジを締め切った状態ではバルブコアの先端を押しても空気が抜けません。 だから、仏式バルブにキャップは不要で米式にはやや必要ということになります。 しかし、ロックされていなくてもキャップの無い状態で米式バルブのバルブコアの先端が押されない限り、(例えば振動等で)空気が抜けることはありませんし、そこに飛来物等が当たる可能性も極めて低い為、言う程の重要度では無い、と思います。 でも、バルブキャップには他に「カラーコーディネート」と言う重要な役割があることも否めません。 機能的には不要でも、見た目的に必要、という意見には説得力があります。 見た目の問題は重要です。 でなければ、フレームなど塗装せず素地で良い、という話になりますので。 たまにアルミやカーボンの素地にクリアをかけただけのカラーも存在しますけどね。 で、リムナットです。 根元までネジ山が切られている仏式バルブのチューブにはほぼ100%リムナットが付いています。 こいつの目的は… チューブを装着する際にしっかりとリムからバルブを露出させる。 バルブがリムの穴から中に入ってしまうのを防ぐ。 といったところでしょうか? しかし、こいつは異音の原因になります。 しっかり締まっていないとリムに当たってカチカチと鳴ります。 じゃあしっかり締めれば良いかと言うと、それはそれで悪さをします。 バルブの根元をリムの表側から締め上げる形になりますので、チューブのバルブの根元の部分に少しずつダメージをあたえます。 試しに空気圧を適正にしたらリムナットを目一杯締めて暫く使ってください。 次に空気圧を調整する(通常、空気を入れることになると思いますが)際に適正な空気圧にした後、リムナットを触ってみてください。 前回一杯まで締め込んでいたハズなのに、少し締められるハズです。 これは、緩みも全く無いとは言えませんが、基本的にはバルブの根元のチューブが伸びた分です。 伸びた分は薄くなって行きますから、この作業を繰り返して行くと、本来のチューブの寿命よりだいぶ早く、バルブの根元付近に穴が開くことになります。 仏式バルブが着いているような車体ですと、適正空気圧は高圧域になりますので空気圧が適正であれば、リムナットが無くてもバルブがリムの中に入って行ってしまうことはありません。 ママチャリ程度の空気圧(3気圧程度)でも、バルブを押すようなことはポンプを装着する以外はありませんから、普通に走っていてバルブが入ってしまうことはありません。 着ける必要が、無いんですね。 じゃあなんでそんな部品、わざわざチューブに着けて売ってんだよ? だって何かしら普通に使っててもチューブにダメージ与えられるようにしとかないとチューブが売れn…何でもありません。 リムナットを外して使用することは問題ありませんが、バルブそのものとリムが当たって音が出ることはあります。 これにはバルブの根元に輪ゴムを巻く人、テープを巻く人、色々いますが… 私の知る限り、ブログをやっている自転車屋さんで最も詳しい方、特にホイールに関して造詣が深い、野村さんという方の個人店のブログ、「のむラボ日記」でもその対策をされています。 ↓ http://pass13.blog.fc2.com/blog-entry-848.html ステマをやった記事でステルス戦闘機を飛ばす(あちらは模型ですが)ネタはあちらのパクリです。 自転車に興味のある方なら読んで非常に面白く、参考になるブログですので是非ご一読ください。 さて、リムナットを散々いらねーいらねーと連呼してますが、唯一(かな?)例外があります。 チューブレスバルブは裏側に鍔がありパッキンをリムと挟み、リムナットでリムに鍔を引っ張り上げて密閉する構造です。 このリムナットだけはキツく締めていないとイケません。 関係ありませんが、タイヤがアスペンですから禁断のクリンチャーチューブレスなのがバレましたね。 今やプロライダーでも(メーカーからチューブレスタイヤを貰おうと思えば貰える立場の人でも)やっているので、もはや禁断でも何でもありません。 なのに作業を断るノウハウの欠片も持ち合わせないクソな店が多いみたいですよ。 |
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