コーヒー1杯で7時間「カフェ勉」、試験シーズンは商売上がったり

カフェを勉強部屋と勘違い…
「堅苦しい読書室よりもこぢんまりしていて好き」 卒業した就職準備生もよく訪問
学習塾の周辺には仕切りがある机も登場
コーヒー1杯で小半日
試験シーズンは売り上げマイナス30%…「勉強禁止」のお触れ書きも

 2月28日午前11時、ソウル市冠岳区のあるカフェを訪れた。十数人のお客さんが飲み物やパンを注文し、本を読んだりノートパソコンでネットを検索したりしていた。そのほとんどが20代初めの大学生だった。これらの大学生は49平方メートル(15坪)ほどのカフェに置かれた11個のテーブルを全て使用していたが、所々に空席が見られた。4人用のテーブルを学生1人で使用しているためだ。カフェで社長を務めるキムさん(43)は「もうすぐ会社員たちがやって来るランチタイムだが、コーヒー1杯で7、8時間も座りっ放しの大学生たちのせいで、貴重なランチタイムが台無しにならないか心配」とため息をつく。

 同カフェは、賃貸料やアルバイトの人件費などを除けば、コーヒー1杯を売ってもようやく400-500ウォン(約38-47円)が残る程度だという。キムさんは「それなりに収益を上げようと思えば、お客さんが殺到する時間帯にはテーブルを空けておかなければならないが、カフェで一日中席を占領しているお客さんたちのため、他のお客さんが入ってくることができず、収入につながらないケースが多い」と眉間にしわを寄せる。

 ここ数年、新しいカフェで勉強したり音楽を聞いたりして時間を過ごす中・高生や大学生が大幅に増えたことで、「カフェ勉族」(カフェで勉強する人たち)という新造語も登場した。これに、卒業後も就職できない就職準備生たちが毎年増加したことで「卒業後のカフェ勉族」の数も増えている、というのがカフェの経営者たちの話だ。就職準備中のイさん(27)は「まだ就職先が見つかっていないため、後輩たちの目が気になって学校にはいられない。だから知り合いがいないカフェをアジトとして就職のための勉強に励む友人が多い」と事情を話す。

 カフェを読書室(図書館の閲覧室のように勉強机などが完備されたスペース)のように使用するカフェ勉族は、こぢんまりとした雰囲気や開放感が気に入ってカフェを訪れるという。ソウル市瑞草区に住む大学生のチェさん(23)は「あくびするにも気を使わなければならない図書館や読書室の堅苦しい雰囲気と違って、こぢんまりとした開放感があり、適度な騷音があるカフェが、むしろ集中するのにちょうどいい」という。小さな話し声や落ち着きのある音楽が入り混じった『ホワイトノイズ(全ての高さの音を同等に含むノイズ)』が、むしろ集中力を高めてくれるというのだ。

イ・ミンソク記者 , ペク・スジン記者
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