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かみふじの花

20代のオタク女。 漫画とアニメとゲームが好き。 Twitter依存。 まったり更新するブログ。

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生理痛あんまり重くないけど、婦人科で手術してきた。

前回の記事の続きになります。

kamifujinohana.hatenadiary.jp

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前回、前々回の記事では「手術することになるかもしれない」という書き方をしましたが、検査の結果やっぱり手術、ということになりました。

 

検査結果

診断名は「右卵巣腫瘍(みぎらんそうしゅよう)」。
卵巣というのは、男性でいうきんのたまのことなのですが、その右側に粘液性の嚢胞腺腫ができてるっぽいよ、と。

解説できるほど詳しくはないのですが、一口に腫瘍ができているといっても、中に何が詰まっているのかによって呼び方が変わるみたいですね。

人によっては、赤ちゃんのなりかけ(髪の毛とか爪のかけらみたいなもの)が腫瘍になってしまうこともあるとか。

私の場合は、水風船のように、水っぽいものが溜まっているようだと、MRI検査で判明した、とのこと。

その画像がこちら。

f:id:kamifujinohana:20160312210020j:plain

体を横から見た図。ひときわ大きくて真っ白いのが腫れた卵巣です。
直径12cmくらいの水風船みたいなものがお腹に入っている状態…?
この画像を見せてもらったとき、どっちがお腹でどっちが背中なのか教えてもらったはずなんですが、忘れてしまった。

 

f:id:kamifujinohana:20160312210227j:plain

こっちは体を上から見た図。
これは上がお腹で、下が背中…かな?

卵巣って、本来は親指の先っぽくらいの、豆みたいな大きさらしいのですが、これは見事に膨らんでますね。

私のお腹ほとんど卵巣に支配されてんじゃん。

怖いのは、これだけ大きくても、私に自覚症状は一切無いんですよね…。
生理が来ていない時は、別に痛くもなんともないし。
お医者さんに何度か「お腹が張っているような感じはありませんか?」って聞かれたけど、そんなふうに思ったこともないし…。

ちょっと「お腹がぽっこりしてるかな?」と思ったことはあるけど、それは「太ったのかな」で済ませてたし。

とにかく、これを放置していると、ある日突然卵巣が破裂して激痛を感じ、緊急手術となる可能性があるとのことで、腹腔鏡手術をすることになりました。

 

入院1日目(手術前日)

とはいっても、私は生理が来ない限り異常を感じない健康体。
…というか、生理が来ても異常を感じていなかったくらいなので、入院して病院のパジャマに着えても、いまいち実感が湧いてきません。

手術当日が、前々から楽しみにしていたゲーム「サモンナイト6」の発売日だったので、予約していたのに当日にプレイできないのは悔しいなー、と思っていました。

 病院のベッドで「サモンナイトU:X -狂界戦争-」を読んだんですが、10年以上謎だった世界観の根幹が明かされて、最高だった。サモンナイト最高だな…。

サモンナイトU:X<ユークロス>?狂界戦争? (JUMP j BOOKS)

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とはいっても、暇なわけではありません。
お医者さんからいろいろな説明を受けたり、へそを綺麗にしたり毛を剃ったり。


そして、昼食を最後に、手術が終わるまで絶食です。
明日の手術に備えて、お腹を下しきって、胃腸の中を空っぽにしなくてはいけません。「サモンナイトU:X」を読みながら、微妙な味の下剤を2リットル飲みました。

なんだろう…。
アクエリとかポカリをお湯で何倍にも薄めて、塩で味付けした上に、うがい薬で風味付けしたみたいな…飲めば飲むほどまずい味だった…。

 

もともとお腹を下しやすい体質なので、下剤を飲むことはさほど苦痛ではありませんでした。

「明日の手術が不安で眠れない人には、希望で眠剤を服用してもらってるけど、どうする?」と聞かれましたが、「手術するのはお医者さんであって私ではないしなー、私が緊張することなんかないよなー」と、特に不安は感じていなかったので、お断りしました。

病院のベッドは慣れなくて腰が痛かったのですが、そこそこ眠れたと思います。

 

入院2日目(手術当日)

いよいよ午後から手術。
前日の昼以降なにも食べていないのがだんだんつらくなってきた頃、手術の時が来ました。

ベッドごと手術室に運ばれ、「おおここが手術室の天井…なんか金属っぽい」と思ったあたりで記憶がぷつりと途切れています。

次の瞬間、「手術無事に終わりましたよ!」と看護師さんに呼びかけられて目を覚ましたら、元の病室に戻っており、手術が終わっていました。

すげえ、本当に全身麻酔って体感時間ゼロなんだ…! とちょっと感動。

 

そして私は、全身が不自由になっているのを自覚します。

お腹に穴を開けたあとだから当然なのですが、お腹は未知の痛み。

右手は点滴がつながっているし、左手はなぜだかよく分かりませんが、手術台に軽く固定されています。尿管がつながっていて、気持ち悪いような、妙な違和感があります

前日から絶食が続いているせいか、喉はカラカラで唇もカサカサで、体力もほとんどないような気がしました。

まだ麻酔が抜けきっていないのか、妙に眠くて、意識がぼんやりと霞がかったようです。

声も、なんだか掠れてしまい、聞き取りづらい声しか出ません。

手術前まではなんともなかったのに、このままならない状況が不快で、私はこのときはじめて不安を感じました。

 

横に母が座っているのが分かりました。
看護師さんが忙しそうに部屋を出入りして、何かいろいろと処置をしてくれています。

浅い眠りと、ぼんやりとした目覚めを繰り返して、時間が過ぎてゆきます。

視界に時計もなく窓もないので、自分がどれだけぼーっとしていたのかよくわからず、看護師さんに「今は何時ですか」と何度も聞いたような気がします。

 

まだ水を飲んではいけないので、「のどが渇いた」と訴える私に、唇と口の中が湿る程度の水をスプーンで注いでくれた母の存在が、妙に嬉しかったのを覚えています。

しかしそんなのは気休めで、口に含んだ水はすぐに乾いてしまいますし、きちんと回復してしっかり水分補給しないことにはどうしようもない、というのも分かっていました。

 

母が遅くまで付き添ってくれていることが申し訳なく、「もう帰っていいよ」と言ったような、言わなかったような…。
とにかく、確かに私はそう思ったのに、実際に母が帰ってしまうと、急に心細くなりました。

 

体も動かせず、もう1日半くらい何も食べていないし、自分の発する声はどんどん弱っていく気がするし、看護師さんがついていてくれて、点滴も打っているのが分かっているのに、不安でなりませんでした。

いっそ朝まで眠り続けていたいと思っているのに、頻繁に目が覚めてしまうのが嫌でした。

 

入院3日目(手術翌日)

朝5時頃、満足に体を動かせない私を補助して、看護師さんが歯磨きを手伝ってくれました。

おかげで少し気分がすっきりして、夜が明けたのもあり、朝には少し意識がはっきりしていました。

意識がはっきりしてくると、まだ眠たいのにも関わらず、今度は「動きたい」と思うようになりました。
とにかく、喉が乾いているのがつらくて、一刻も早く水を飲みたかったので、そのためには自分の足で立って動かなくては、という焦りにも似た気持ちでした。

自分でも、まだ眠気が取れていないのがわかっていましたが、「まだ眠いが、自分で歩きたい」と伝えると、「一時的に尿管を外すから、点滴を持って歩いてみて。自分でトイレに行けたら、尿管を完全に外しましょう」と言われました。

 

お腹が想像の三倍くらい痛くて、自分の足が想像の二倍くらいおぼつかなかった…。

「手術の跡ってどんなもんかと思ってたけどわりと平気じゃん」って思ってたけど、あれね、体を動かせない状態だったからそう思っただけだね、動き出したらめっちゃ痛い! なにこれ歩くのつらい!

誰しも腹筋で筋肉痛になったことがあると思うんですけど、あれをギュッと濃縮して切れ味を増したやつが…お腹に二箇所ある…みたいな…。
(お腹を大きくぱかーって開ける手術ではなく、ピンポイントで二箇所に穴を開けてどうにかする手術だった)

一歩踏み出すたびに腹の傷に響くので、足取りに効果音をつけるなら「ジワ……………ジワ……………ジワ…………」って感じ、今なら腰の曲がったおばあちゃんにも徒競走で完敗するわっていう確信。

 

なんとか自力でトイレにたどり着き、用をたすことができたので、仮初の自由を手に入れたわけですが、世界中の手術経験のある人ってみんなこんな経験してんの?すごい…尊敬する…。

水を飲んでもOKということになり、念願の水を飲んだわけですが、なんか全然おいしくないし…。

あんなに喉が渇いていたのに、ここまでくると水の美味しさもよくわかんなくなるのか、人体こえーなって思いました。

 

そして、12時まで待っていると、48時間ぶりの食事が。
これもしんどかった…。
お腹ぺこぺこなのがずーっとつらかったから、食事を前にして心はテンションが上がったのに、体がついてこない。
ご飯を食べるの疲れるし、どんな姿勢でいてもお腹が痛いし、ちょっと食べて、しばらく休んで…の繰り返し。
念願の食事をとりながら、「もう無理」という気持ちしか湧いてこない。
でも、自覚できないだけでどう考えてもお腹が空いているはずだし、ここで食べなかったらきっと後悔する…と思い、時間をたっぷりかけてなんとか一人前を完食。

 

このあたりで、私は「二度と手術なんかしたくねえな」と思い始めます。

 

その後は、「できるだけ動いたほうが回復が早くなる」「というか、癒着を防ぐ(内蔵がくっついちゃったりすること?)ためにできるだけ歩いて」と言われたのを思い出して、大いに休憩をはさみながら、ジワ…ジワ…と部屋を歩き回ってみたり、お茶を淹れに行ったりと、スーパースローモーションで運動をこなす。

その日の夜は、痛みのせいなのか、病院のベッドに慣れないせいなのか、1時間おきに目覚めながらも眠り、なんとか夜を明かしました。

あと、なんか、お腹だけじゃなくて肩が痛い!むしろ肩のほうが痛いんじゃないかって時があるくらい肩がたまにすごく痛い!

あとでお医者さんに聞いたところ、腹腔鏡手術ではお腹に炭酸ガスを注入して、お腹を膨らませるんだけど、少し残った炭酸ガスが抜けるとき、肩が痛くなることがある。少しずつ軽減されていくはず、とのこと。

 

入院3日目(退院日)

昨日に引き続き、相変わらずお腹は痛いのですが、もう病院ですることもないので、退院することに。

家に帰って、ご飯を食べたり、お風呂に入ったり、昼寝したりしましたが、まだ痛い…。

でもこの記事を書いている今、ちょっとはマシになってきた…かな。

 

 

というわけで、私の「生理痛あんまり重くないけど」シリーズ(?)は、ひとまずここで完結です。

最初の記事を投稿したとき、予想を遥かに上回る反響があり、たくさんの方から励ましのお言葉をいただきました。
おかげさまで、落ち着いて手術の日を迎えられました。

 

実際のところ、この卵巣腫瘍が重い生理痛の原因かどうかは分かりません。
お医者さんいわく「あまり関係ない可能性もある」そうで、次の生理が来たときに、ちょっとは軽くなっているといいなぁー…と思っているのですが…果たしてどうなんでしょうか。

婦人系の病気は自覚症状がなく、私のように生理痛が重くなくても病気が隠れていた、ということもあるようなので、女性の皆様はぜひ一度、診察を受けてみてください。

 

あ、そうそう。
お腹にあれだけの腫瘍があるんだから、手術が終わったら痩せるのでは!?
と思って入院前と退院日に体重を測ったけど、減るどころか増えてた。
どういうことなの…。

 

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