プリプリ、仙台から届けた音楽の力　「仙台ＰＩＴ」こけら落とし公演

　５人組ガールズバンド「プリンセスプリンセス」が１１日、仙台市太白区のライブハウス「チームスマイル・仙台ＰＩＴ」でこけら落とし公演を行った。震災復興支援を掲げ、２０１２年に１年限定で１６年ぶりに復活したプリプリ。ライブ活動などで集めた義援金の一部を寄付して出来上がったライブハウスで、代表曲「Ｍ」など１８曲を披露。被災地の人々に「音楽の力」を通じて復興へのメッセージを贈った。

　プリプリは集まった義援金約５億１０００万円のうち約３億１０００万円を、ＰＩＴ（総開発費用約１２億５０００万円）設立のために寄付。昨年８月、こけら落とし公演を１５年３月１１日に行うと発表した。

　約束通りＰＩＴに集まったメンバーは感慨深げ。ボーカル岸谷香（４９）は完成した建物を見て「こうやって一人一人の小さな気持ちが集まって、大きな形になったんだなあと感動した」と感無量の様子。リーダーの渡辺敦子（５１）は「音楽というものが、人の心を動かす、原動力になるものだと信じていました」と満足そうに語った。

　メンバー５人がそろうライブは、１２年大みそかのＮＨＫ紅白歌合戦に初出場して以来。会場は約１２００人が詰め掛け満員。初めに被災者を思い、メンバーと観客全員で３０秒黙とう。ライブが始まるとヒット曲「世界でいちばん熱い夏」など次々に披露し、ファンを熱狂させた。最後の曲の前に岸谷は「音楽の力がすごく大きいこと、そして音楽は色あせないこと、そしてたまに音楽は人の小さな気持ちを一つにつなぐこと…そんなことを教えてくれた１曲をみんなと大合唱して空高く届けよう」と語り、観客とともに「Ｄｉａｍｏｎｄｓ」を熱唱した。

　公演は１３日まで同所で行われる。プリプリは１２日にはＮＨＫ総合「震災から５年　“明日へ”コンサート」（午後７時３０分）にＰＩＴから中継で出演する。