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No.3771
2016年2月17日(水)放送
黒字企業が消えていく ~自主廃業3万社の衝撃~
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出演者
山口 義行
さん
(立教大学教授)
去年、国内企業の倒産件数は10年ぶりに9千件を割り込んだ。「景気回復」という指摘の一方でいま、中小企業の「自主廃業」が相次ぎ、その数は倒産件数の3倍近くに及び、高止まりが続いている。黒字経営の健全企業も多く、一社の廃業が連鎖を呼んで地域経済沈没の引き金となる事態も生じている。背景にあるのは、ますます「事業承継」が難しくなっている現実だ。健全経営しているだけに、経営者が「個人保証」や「債務」といった自社の“弱み”を抱え込む傾向が強く、信頼できる相談相手や情報窓口がない、長期の技術改良といった暗黙知(ノウハウ)を資産化できていないなどの理由も相まって、M&Aやファンドの利用も進まない状況だ。国は今年度中に、全ての都道府県に「事業承継専門の相談窓口」を設置する予定だ。兵庫の地域金融機関など、零細企業の強みを客観評価して「見える化」する取り組みなどで成果を挙げる例も出てきた。地域雇用7割の受け皿であり、技術の宝庫でもある中小企業をいかにして繋いでいくか、事業承継の処方箋を探る。
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2016年2月2日(火)
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日本人の雇用の7割以上を支えてきた中小企業。
今、全国で黒字経営にもかかわらず、会社を畳む廃業が相次いでいます。
長く後継者不足が指摘されてきた中小企業。
その対策として、M&Aや投資ファンドなどによる存続が図られてきました。
しかし去年(2015年)、休業や廃業をした会社は2万7,000件。
13年前から増加し始め、この8年間は高止まりしたままです。
廃業した経営者
「“相談”する人がいないということは、一番の孤独ですよね。」
なぜ黒字企業にもかかわらず、後継ぎが見つからないのか。
取材を進めると、経営者が本来の会社の価値を把握できていないことが一因であることが分かってきました。
国の支援センター代表
「そもそも(中小企業の)経営は苦しい、魅力がない、誰も継がないと思い込んでしまう。」
日本経済を下支えし、地域の活力ともなっている中小企業。
どうしたら次の世代にその強みを引き継ぐことができるのか。
解決の糸口を探ります。
黒字企業が消えていく ~自主廃業3万社の衝撃~
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