東日本大震災追悼復興祈念式に出席した杉良太郎=福島市春日町【拡大】
今回はそれらの支援活動が認められ、福島県の内堀雅雄知事(51)からオファーを受けて快諾。朗読のリハーサルでは「今でも被災地の過酷な現状が目に焼き付いているし、追悼詩を読むのはつらい」と話したが、本番では被災者の悲しみを癒やすような温かみのある朗読を披露した。
詩の朗読は初めてという杉は終演後、「こんなに緊張したことはなかったし、俳優より表現方法が難しかった」とホッとした表情。作詩した高校生ら3人と面会し、彼らから「ありがとうございました」と感謝されると、杉の目から涙があふれた。
「泣きたいときは泣いていいし、つらいかもしれないけど、それを乗り越えて生きていくしかないんだよ」。杉は涙をぬぐいながら、復興に向かう被災地の未来を若者に託した。
東日本大震災
2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード(M)9・0の巨大地震が発生。宮城県で最大震度7となったほか、津波で太平洋沿岸の市街地や集落が甚大な被害を受けた。死者は1万5894人、行方不明者は2561人。全国で約17万4000人が避難生活を送る。原発事故で福島県外に避難している住民は計約4万3000人。岩手、宮城、福島の3県で計5万7000人以上が仮設住宅で暮らす。今年で発生から5年間の国の集中復興期間が終わり、2016年度から復興・創生期間に入る。