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【大相撲】

遠藤、春場所出ます イメージ通り稽古…いける

2016年3月11日 紙面から

関取衆との稽古で汗を流す遠藤(右)=堺市北区の追手風部屋で(永井響太撮影)

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 右足首捻挫で初場所を途中休場し、今場所は東十両6枚目で臨む遠藤(25)=追手風=が10日、春場所出場を明言した。関取衆と申し合いができるようになり、患部も回復しつつあることから判断した。ただ、完調には遠く、師匠の追手風親方(元幕内大翔山)から見れば状態は全盛期の「3分の1」と不安も抱える中での決断。新十両だった2013年名古屋場所以来、16場所ぶりとなる十両の土俵で人気者が再スタートを切る。

 気持ちはあくまで前を向く。朝稽古後、表情をほとんど変えずに遠藤は決断に至った胸の内を吐き出した。

 「段階を踏みながら予定通り関取衆とも稽古できるようになった。足首がだいぶ良くなった。久しぶりに相撲を取っているな、という感じ」

 前夜に追手風親方と話し合って決断。イメージ通りに稽古を重ねられたことが大きかった。

 悪夢の始まりは昨年春場所だった。左膝の前十字靱帯(じんたい)断裂と半月板損傷の大けが。夏場所に強行出場したが患部をかばい、昨秋には右足首も痛めた。

 ことしの初場所は7日目から途中休場。わずか1勝で十両へ転落した。「最初(初日)から休場せずにやってきた。普通じゃなかったと思う」。負の連鎖でも土俵に上がり続ける選択を下したものの、満足に体を動かすことができない状態で結果を出すことは簡単ではなかった。

 ただ、休場すれば番付降下につながる。完治を優先させて全休すれば幕下まで転落するという状況での決断は、昨年夏場所の強行出場にも重なって見える。追手風親方は「先場所みたいなみっともない相撲を取らなくてもいいようになった」と弟子の回復を認めつつも「(状態は良い時の)3分の1。稽古量が足りてない。一番問題なのは押された時。途中でけがしなければ…」と十両の土俵でも不安は隠せない。

 本場所の一番は稽古場の何十番にも相当するといわれる。遠藤は「本場所の一番でさらに良くなっていく。体をしっかり整えながら番付を上げられればベスト。番付を戻すより体を戻さないとね、人間として」と笑みものぞかせた。

 14年春場所には東前頭筆頭で横綱と初対戦した思い出の浪速。遠藤フィーバーの真っただ中だった2年前のような輝きを取り戻すため、十両から再起を目指す。 (永井響太)

 

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