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【サッカー】

武蔵、リオ赤信号 左太もも肉離れで全治3ヵ月

2016年3月11日 紙面から

左太もも肉離れで全治3カ月のU−23日本代表FW・鈴木武蔵(佐藤哲紀撮影)

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 手倉森ジャパンに大打撃−。新潟は10日、リオデジャネイロ五輪出場を決めたU−23(23歳以下)日本代表FW鈴木武蔵(22)が左太もも肉離れで全治3カ月と発表した。手倉森ジャパンの公式戦でチーム2位となる13得点を挙げているエースストライカーが五輪出場へ赤信号が点滅。それでも、2011年の東日本大震災時に仙台を率いたU−23日本代表の手倉森誠監督(48)は「他のメンバーがギラギラしてほしい。メダルを取ることが東北から送り出してくれた人々への恩返しになる」と語った。

 手倉森監督は窮地にも動じなかった。FWで最多得点の鈴木に加え、新潟DF松原健(23)も右膝外側半月板損傷の手術で全治3カ月と診断された。常連メンバーの長期離脱。1月のアジア最終予選で活躍したDF室屋(FC東京)も2月に左足骨折で全治3カ月の大けがを負った。

 災難続きだが、指揮官は「今までの大会でもアクシデントは付きもの。けがをするメンバーがいれば、他のメンバーにもチャンスが来る。ギラギラしてほしい」と負の材料にも表情を崩さなかった。手倉森チルドレンが3人重傷となったが、「焦らずにやってほしい」とも。一方で24歳以上のオーバーエージ枠を含め「(メンバー選考も)変わってくる」と穴埋めも検討するという。

 東日本大震災時に仙台を率い、2011年4位、12年2位と躍進させた。この日、震災5年目を迎えるにあたって取材に応じた。手倉森監督は「五輪の年に5年目。自分なりに語呂を大事している。被災地の思いをくんで戦う仕事の大きさを知り、結果を導きだせた。その成果があって代表監督のオファーを頂いた。今度はメダルを被災地に届けられたらと思う」と使命感に燃えた。

 最弱世代と呼ばれた若手を五輪出場に導いた。根底には「仙台時代の方が難しかった」という経験がある。3・11は毎年「自分は希望の星になれているのか自問自答する時期」だという。苦難を乗り越えた指揮官は、主力の大量離脱にも動じず、東北の地に輝くメダルを届けることだけを胸に刻んだ。

  (占部哲也)

 

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